東邦大学医療センター大橋病院 第二脳神経外科

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更新日 2008-07-15 | 作成日 2008-03-15

髄膜腫


 髄膜腫は脳腫瘍の27%を占めると言われていますが,画像診断装置の発達・普及に伴い,さらに発見率が増えていくことが予想されます。基本的には脳を包む膜(髄膜)から発生する良性脳腫瘍です。その成長は遅く,平均的には1年に直径で3 mm弱大きくなるといわれ,症状の出しやすい3 cmにまで成長するのは10年を要するとされています。
 しかし髄膜腫と診断されても,WHOの分類ではその組織形を15種類に分けており,何年経ってもほとんど成長しないものから,成長の早い悪性像を呈する物(約10%前後)まで存在します。全年齢層に発症しますが,40歳以降の女性に多い腫瘍です。非常にゆっくり発育しますので,びっくりするくらい大きくなって発見される事が有ります。また多発する事も稀ではありません。
 症状は発生部位によって様々ですが、麻痺や痙攣発作、頭重感あるいは偶然に見つかることが多いです。

髄膜腫1.jpg髄膜腫2.jpgスライド髄膜腫1,髄膜腫2 並べる

【診断】
 CT scanでもMRIでも診断は可能です。いずれも造影をする事でさらに診断が容易になります。脳から脊髄など神経を包む髄膜が存在するところなら,どこでも発生しますが,発生しやすい場所は決まっていて,太い静脈が存在する場所に発生しやすいです。

【治療】
 現代の医学では薬による治療は有りません。また近年発達した放射線手術(ガンマナイフやサイバーナイフなど)も,放射線感受性の悪い細胞の為一般化していません。もちろん良性腫瘍なので,全摘出できれば治癒が期待されます(全摘出されても、10年単位で見ると10%の再発あり)。しかし何年間も経過観察していても,ほとんど大きさの変わらない物も有り,治療(手術)をせずに外来で経過観察している方も多くいます。
 個々の成長する速度は分かりませんので,短期間に成長するもの,神経症状のあるもの,神経症状が無くても脳の圧迫が強いもの,脳浮腫が強いもの,年齢の若い方では積極的な治療をお勧めしています。
 いずれにしてもほとんどが良性腫瘍ですので,慌てる必要は有りません。また成長が早く、悪性に近い物や、発生部位によっては全摘出が困難、あるいは手術が困難なことも有り、それぞれに合わせて慎重に検討し,治療方針を検討していきます。

【手術後経過】
 髄膜腫では手術治療前に症候性てんかん(けいれん発作)があっても、手術後消失したり、頻度が減ったりしますが、我々はけいれん発作がなくても、約2年の間、坑けいれん薬を内服してもらっています。
 また良性腫瘍で、全摘出できても、10年単位でみると約10%の方に再発をみたり、他部位に発生したりすることもあり、1年から数年に1回の割で、外来でMRIの追跡調査を行います。

様々な髄膜腫
髄膜腫3.jpg髄膜腫4.jpg


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