当科での大動脈瘤に対する瘤径、形態による手術適応は

• 胸部大動脈瘤　最大径50mm以上
• 腹部大動脈瘤　最大径40mm以上
• 胸腹部大動脈瘤　最大径50mm以上

としており、嚢状瘤に関しては径に関係なく手術適応と致しております。

急性大動脈解離に関しては上行大動脈に病変を有するStanford A型はすべて緊急手術を行う方針としております。術式は救命を第一の目的とし、部分弓部大動脈置換術を基本術式としています。

また、脳保護のため逆行性脳灌流併用超低体温循環停止法（手術中に脳への血流を上大静脈から送る方法です。生理的な血液の流れとは逆になるため、逆行性と言います。血液を上大静脈から送るため脳梗塞を起こす心配がありません。）に加え、体外循環による臓器血流障害を予防するため左室心尖部送血（体外循環からの血流をできる限り順行性に送るため体外循環から血液を送る送血管を左室心尖部から大動脈弁をこえて挿入し、全身に血液を順行性に送るより安全な方法です。）を行っております。