外科 消化器グループ紹介

当科の消化管疾患に対する年間の症例数は、胃癌約50例、大腸癌約150例、その他100例、総数約300例程度です。
都会の病院らしく、できる限り低侵襲に、そして早い社会復帰が可能な治療とは何かを教室として追求しています。
早期の胃癌や食道癌では消化器内科と相談の上で内視鏡的治療を積極的に行っております。外科手術が必要な食道癌・胃癌の患者さまにも、創が小さく術後の回復が早い胸腔鏡・腹腔鏡下手術などの低侵襲手術を積極的に導入、内視鏡外科技術認定医複数名で手術を施行しています。また手術の前後には患者さまをサポートするチーム医療(看護部・リハビリ・嚥下支援・栄養部・リハビリなどのチーム)を導入して、安全な外科治療の提供に努めています。一方、多くのリンパ節転移をきたしたり、他臓器へ浸潤・転移している進行癌の患者さまには、手術の前や後に、抗がん剤による化学療法や放射線照射を併用するなど集学的治療を行い治療成績の向上に努めています。治療前には、個々の患者さまにとって最も適切な治療法を決めるために、外科・消化器内科・放射線科・薬剤師などのスタッフからなるキャンサーボードで協議し、そのうえで患者さまに治療の選択肢を詳細に説明しています。
大腸癌は、粘膜内癌は内視鏡治療を、粘膜下層癌以上の癌には積極的に腹腔鏡下手術を積極的に取り入れ、患者のクオリティライフの向上に努めています。2013年度には初発大腸癌手術の9割が腹腔鏡下手術となり、現在では95%以上が腹腔鏡下手術です。大腸も大腸分野の内視鏡外科技術認定医複数名で手術を施行しています。
また、進行大腸癌による腸閉塞症例においては大腸ステントによる解除術を当科にて開発し、予後の悪い緊急手術の減少に努力しており、その良好な成績は国際的にも高い評価を受けています。また日本における大腸ステントの研究を推進すべく大腸ステント安全手技研究会の立ち上げ、斉田が代表として、教室を事務局として全国に啓蒙活動を行っております。
各疾患ともに腹腔鏡下手術の導入が進む中で患者様のアンケートを実施したところ尿道カテーテルがつらいとの声が多くありました。確かに男女とも尿道に太いカテーテルを挿入留置するのはつらいものです。そこで当科では術中にカテーテルを挿入せず腹部から直接膀胱に細いチューブを挿入する周術期膀胱瘻を開発導入しています。患者様からは尿道の違和感がなくなり非常に好評です。
良性疾患でも大腸ポリポーシス・腸閉塞・憩室炎・虫垂炎など多くの疾患を適切にしかもできるだけ低侵襲で治療することを目的に行っております。当院の救急部にも外科医を配置し救急疾患にも迅速にそしてシームレスに対応できるようにしております。
胃癌・大腸癌とも進行・再発癌に対する全身化学療法も外科で担当しております。専門知識を持った専門医が専任の看護師・薬剤師とともに、病院1階の広く良い環境の10床の外来化学療法室の中で、その患者さんに個々に最も適した薬剤を選んで行っており、当科は早期の癌から進行・再発した癌、良性疾患・緊急疾患まで多くの科や医療職種と協働しながらも、基本的に外科の中で完結できる、シームレスな治療が行える教室です。

文責 教授 斉田芳久

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大橋病院 食道・胃・大腸外科

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