今、最前線に立つプロフェッショナルとして
東邦大学医療センター大橋病院消化器内科 関連リンク

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
大橋病院 消化器内科

〒153-8515
東京都目黒区大橋2-17-6
TEL:03-3468-1251(代表)

肝動脈化学塞栓術(trancecatheter arterial chemoembolization:TACE)

肝動脈化学塞栓術(TACE)とは

肝癌は、進行すると肝動脈の血流が豊富になり、腫瘍への栄養を供給するようになります。足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、肝臓内の腫瘍を栄養する細い動脈までカテーテルを進めます。そこで抗癌剤などを入れ、動脈の血流を遮断し、腫瘍細胞を壊死させる方法です。

実際の治療の手順

まず、足の付け根を消毒し、清潔にします。痛み止めの点滴を治療前に投与し、痛みを予防します。足の付け根の動脈(大腿動脈)にカテーテルを挿入し、肝臓に行く動脈(腹腔動脈)にカテーテルを進めていきます。適宜カテーテルの先から造影剤を投与し、腫瘍の場所を確認したり、どの動脈から腫瘍へ血流が流れ込んでいるかを見極め、カテーテルを進めていきます。細い血管に入り、腫瘍部位が確認できたところで、抗癌剤をカテーテルの先端からゆっくり入れていきます。十分に薬が入ったことを確認し、塞栓物質を入れ、血流を遮断します。治療後、再度造影検査を行い、腫瘍への血流がなくなったことを確認し、終了となります。足の付け根から入れたカテーテルを抜いた後は止血のため、圧迫を行います。
治療終了後は、病室に戻り、安静の時間となります。足の付け根には比較的太いカテーテルを入れていたので、安静の時間の間にもテープで固定します。治療中や、治療後に痛みや、発熱、吐き気などがでる場合があります。痛み止めや解熱剤、吐き気止めなどで、対処可能です。

治療中の血管造影検査画像

治療中の血管造影検査画像

入院の経過

治療前日にご入院いただきます。血液検査や、レントゲン、心電図などを行い全身の状態が治療に耐えうるかどうか確認します。
治療当日は、午後から治療になります。食事は基本的には控えていただきます。病室で点滴を開始し、治療室にいらしていただきます。
治療翌日朝血液検査を行い、合併症が起きていないか確認を行います。なるべく安静を保っていただきますが、特にお体を動かしてはいけないという制限はありません。抗生剤を含めた点滴を行います。
治療2日目以降は抗生剤の点滴のみで、特に検査などはありません。治療の影響で発熱することが多いので、その御様子でいつまで点滴するかが決まります。
治療数日後にCT検査を行い、治療の部分を観察します。治療が成功しているか判断し、うまく治療できていれば終了です。約1週間で退院可能となります。治療が不十分だった場合は、ほかの治療(ラジオ波焼灼療法など)を追加することがあります。また、一度退院いただき、時期をずらして再度肝動脈塞栓術を行わせていただく場合もあります。

適応

肝動脈塞栓術の適応は、少し進行した肝細胞癌(肝から出てくる癌)で、肝動脈からの栄養が確認できているものです。早期の肝癌は肝動脈からの血流があまりないものもありますので、そのようなものは他の治療を選択していきます。(治療前にCT検査などで確認できます)。病状が進行していて、大きな腫瘍や、多発している場合は肝切除や、局所療法などが困難となりますので、この肝動脈塞栓を施行します。具体的には3cmを超えるものや4個以上の腫瘍がある場合です。(全身の状態や、肝臓の状態で治療法が変わることがあります)

利点・欠点

利点は、大きな腫瘍や、多発している場合に一度にいくつか合わせて治療することが可能です。また、直接肝臓への血管から造影できるため、CTや超音波ではわからなかった腫瘍などを診断することができます。
欠点は、外科的手術や局所療法にくらべ、治療効果が不十分な場合があります。(局所療法などと合わせて治療していくことが可能です。)

治療後

肝細胞癌は、病気の性格上再発する可能性が高いため、定期的な経過観察が必要です。ですので、治療後は約3ヶ月に1回は血液検査や、CTや超音波検査などの画像検査を行う必要があります。そうすることで、もし再発しても、早期に発見することができ、再度行うことが可能となります。