卵巣は腹腔内(お腹の中)にあること、また自覚症状が乏しいことから卵巣がんが発生してもなかなか早期診断が難しいことが多いがんといえます。実際に卵巣がんと診断された時にはすでにIII、IV期の進行がんであることが約半数であり、このことからも早期診断が容易ではないことが伺われます。わが国における卵巣がんの罹患数は1999年には7,314人と推計されていますが、最近では約8,000人と推定されています。
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卵巣がん
卵巣がんに対する治療は手術療法と抗がん剤治療が主力となります。抗がん剤治療ではパクリタキセルと呼ばれる抗がん剤の導入によって、5年生存率の改善がみられるとうになりましたが、III、IV期の進行卵巣がんの5年生存率は約30%にとどまっており、婦人科がんの中で最も長期生存率が不良であるといえます。したがって延命に寄与するような抗がん剤の開発が待たれています。
卵巣腫瘍や卵巣がんが疑われる症例では、まず手術を行います。手術の目的は卵巣腫瘍の確定診断と良性か悪性かの診断を行い、そして病巣を完全に摘出しまたは最大限に腫瘍を減らすように摘出します。
卵巣がんの基本術式は、子宮全摘出術、両側付属器(卵巣と卵管)摘出術、大網切除術です。また卵巣がんの治療にあたっては、進行期が最も予後と相関することが明らかになっています。そこで手術にあたっては正確に進行期を決定する目的で、基本術式に加えて後腹膜リンパ節の郭清(または生検、一部をとること)、腹腔細胞診、腹腔内各所の生検を行います。
卵巣がんは腹腔内(お腹の中)に早期のうちから病巣が進展することがあることから(腹膜播種とよびます)、本来卵巣が存在する骨盤内だけでなく腸管、広く腹腔内、さらに横隔膜まで進展することもあります。そのような場合、腸管を合わせて摘出したり、腹膜の一部を切除するなど、摘出する臓器が広範囲におよぶことがあります。とくに腸管を合併切除した場合は、人工肛門が必要になることもあります。
手術前に手術で摘出する範囲や臓器、そして人工肛門になる可能性などをよく担当医に確認されることをお勧めします。卵巣がんの治療後の予後は手術で残存する腫瘍(手術で摘出できなかった)の最大径が1cm未満になることが関連するというデータがあります。当科でも進行卵巣がんに対して消化器外科と連携して徹底的に病変を摘出する手術を行っています。
卵巣がんは腹腔内(お腹の中)に早期のうちから病巣が進展することがあることから(腹膜播種とよびます)、本来卵巣が存在する骨盤内だけでなく腸管、広く腹腔内、さらに横隔膜まで進展することもあります。そのような場合、腸管を合わせて摘出したり、腹膜の一部を切除するなど、摘出する臓器が広範囲におよぶことがあります。とくに腸管を合併切除した場合は、人工肛門が必要になることもあります。
手術前に手術で摘出する範囲や臓器、そして人工肛門になる可能性などをよく担当医に確認されることをお勧めします。卵巣がんの治療後の予後は手術で残存する腫瘍(手術で摘出できなかった)の最大径が1cm未満になることが関連するというデータがあります。当科でも進行卵巣がんに対して消化器外科と連携して徹底的に病変を摘出する手術を行っています。
手術後、Ia、Ib期うち一部の症例を除いて化学療法(抗がん剤による治療)が必要です。卵巣がんに対して最初に使用される抗がん剤は標準的治療としてタキサン製剤とプラチナ製剤の併用療法です。代表的な薬剤はパクリタキセルとカルボプラチンの併用療法で、当院でもこの治療を行っています。パクリタキセルとカルボプラチンの標準的な投与方法は3~4週間隔で3~6サイクルです。また標準的な初回の化学療法のオプションとして、ドセタキセルとカルボプラチンの2剤を併用する治療法、パクリタキセルとカルボプラチンの2剤を一週間隔で投与する方法、イリノテカンとシスプラチンの2剤を投与する方法などもあります。
化学療法では、骨髄抑制とよばれる血液毒性(貧血、白血球や血小板が減ること)や嘔気・下痢などの消化器症状、しびれなどの末梢神経毒性が生じます。そこで化学療法が円滑に受けていただくことができるように支持療法として血液毒性を早く改善する薬剤や制吐剤を使用して副作用を早く改善したり副作用の程度を軽減する薬剤を投与します。
しかし、卵巣がんのなかでもいろいろな病理組織型があり、明細胞腺癌や粘液性腺癌は他の組織型に比べて奏功率が明らかに低いことが報告されています。つまり明細胞腺癌や粘液性腺癌は他の組織型に比べてタキソール、カルボプラチンの“効き目”が劣るということです。加えてわが国における明細胞腺癌の頻度は国外に比べ高くなっています。そういったことから現在、卵巣明細胞腺癌に対してシスプラチンとCPT-11を併用する化学療法の効果と標準治療であるパクリタキセル・カルボプラチンの2剤併用療法の効果を比較する臨床試験が進行中です。この臨床試験によって、明細胞腺癌に対して奏功率が高い治療方法が検討されます。さらに2009年には既存の抗がん剤のほかに、ドキシルという新しい治療薬がわが国でも承認され、再発卵巣がんに対する治療として適応が始まりました。




