患者さんへ

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診療の特色

1.患者さんに最適な治療を受けていただけるよう、正確な診断に取り組んでいます

東邦大学医療センター大橋病院 病理診断科/病院病理部には、外来はありません。しかし、私たちが行う「病理診断」は、患者さんに適切な治療を受けていただくために、非常に重要な役割を担っています。

病理診断は、患者さんの体より採取された病変の組織や細胞からガラス標本を作製し、その標本を顕微鏡で観察して行います。とくに組織診断は、その病変が「良性か悪性か」、「手術が必要な腫瘍なのか、そうではないのか」、「切除が必要な範囲はどのくらいか」といった判断を下すうえで必要不可欠であり、がん診療の最終診断として確立されています。

病理診断の主な種類には、「組織診断」、手術中に行う「術中迅速診断」、「細胞診断(細胞診)」、「病理解剖」の4つがあります。詳細については、下記リンク先をご参照ください。
患者さんに直接お会いする機会はほとんどありませんが、ガラス標本の向こうに患者さんがいらっしゃるという意識を強くもって、丁寧な観察と精度の高い診断に常に取り組んでいます。その診断結果を迅速に主治医に報告し、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療につなげることが、私たちの使命です。

2.充実したスタッフ層、院内各科との連携の良さという強みを生かし、“オーダーメイド”の治療方針につなげています

病理診断は、医師でなければ行うことのできない「医行為」です。当科には、日本病理学会が認定する「病理専門医」が5名(常勤3名,非常勤2名)および日本臨床細胞学会が認定する「細胞診専門医」が4名(常勤2名,非常勤2名)勤務しています。

病理専門医は全国的に数が少なく、計2787名(2023年10月現在、日本病理学会調べ)しかいないのが現状です。このため、ある程度の規模の病院であっても、病理専門医が常勤していない場合もあります。このような状況の中で、5名もの病理専門医および細胞診専門医がそろっていることは当院の大きな強みとなっています。院内のあらゆる病理診断に迅速に対応できるのはもちろん、判断に迷うような難しい症例の場合なども、複数の病理専門医が携わることでより的確な診断を行うことができます。

また、病理医と主治医のコミュニケーションが円滑であることも、当院の特長のひとつです。通常は、病理医は病理診断科/病院病理部、主治医は各診療科と分かれているため、患者さんの情報を共有しにくい状況にあります。そこで当科では各診療科と定期的に合同カンファレンス(症例検討会)を行い、積極的に情報の共有に努めています。病理医と臨床医がそれぞれの立場から患者さんの病状などについて丁寧に検討したうえで包括的な判断を行い、個々の患者さんにとって最も適した“オーダーメイド”の治療方針を決定しています。

3.川崎病をはじめとする難治性血管炎の研究に力を入れています

難治性疾患の原因解明や新しい診断・治療方法の開発を推進していくことは、大学病院の使命のひとつです。

当科でも病理の立場からさまざまな研究を進めていますが、中でも川崎病に対する病理組織学的研究に力を入れています。川崎病は主に4歳以下の乳幼児に多い全身の血管炎症候群で、まだ原因は明らかにされていません。当科ではこの病気の原因解明と、治療・予防法の確立を目指し、主に以下の2つの手法でアプローチを試みています。

1)50年以上にわたり蓄積されてきた、川崎病で亡くなられた方の100例近くある資料を基に検討。これだけの症例数を有する医療機関は全国でも他に類を見ません。

2)動物モデルを用いて血管炎に至る仕組みを解析。

この他、後遺症の予防や治療についても他の研究機関などと協力し合いながら研究を進めているほか、川崎病以外の原因不明の難治性血管炎についての研究も行っています。

さらに、婦人科、泌尿器、乳腺、呼吸器領域における細胞診の研究も行い、各種学会や研究会で成果を報告しています。
なお、病理検体を用いた研究、教育は、患者さんの尊厳、プライバシーを十分に遵守したうえで遂行するよう細心に注意を払っております。ご理解、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 病理診断科/病院病理部

〒153-8515
東京都目黒区大橋2-22-36
TEL:03-3468-1251(代表)