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東邦大学 教育・研究業績データベース【内科学/呼吸器内科学】

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
大橋病院 呼吸器内科

〒153-8515
東京都目黒区大橋2-17-6
TEL:03-3468-1251(代表)

医療関係の方へ

 

胸腔鏡でのITナイフを使用した胸膜全層生検

当院では胸水貯留、胸膜炎をきたしている患者さまに対して、胸水穿刺、胸腔鏡を施行しています。しかし胸膜中皮腫、悪性リンパ腫、肉腫、転移性癌性胸膜炎によるものなどでは胸水穿刺、胸腔鏡下での鉗子を用いた組織採取では確定診断が得られないことも多いのが現状です。原因不明の胸水貯留があり上記検査を施行しても診断が得られない症例、また胸膜肥厚を呈しており胸腔鏡で従来の軟性鉗子での検体採取が困難な症例に対しては当院では胸腔鏡でITナイフを使用し胸膜の全層生検を実施しています。
ITナイフは消化器内科領域において広く臨床応用されているもので早期胃癌に対し内視鏡的に粘膜切除をするもので、これを用いることにより侵襲が少なく深部組織の粘膜切除を行うことを可能とします。ITナイフを用いた胸膜全層生検では胸膜全層の生検採取が可能で診断が困難な胸膜病変に有用です。
胸腔鏡では特に全身麻酔も必要とせず、局所麻酔で胸壁に一ヶ所だけ胸腔鏡を挿入する穴を切開し、胸腔鏡を挿入し可視範囲内で検体を採取する検査なので患者さまの負担も少ない検査です。


タルクによる胸膜癒着術について

胸腔内にドレーンチューブを挿入し、薬剤を投与して人為的に胸腔内に炎症を起こし、癒着させる治療法を胸膜癒着術と言います。
悪性腫瘍による胸水のコントロールが困難な場合や難治性の気胸で年齢、全身状態などから手術困難な患者様に胸膜癒着術を行うことがあります。
我が国ではピシバニールやミノマイシンといった薬剤や抗がん剤を使用することが一般的です。しかし、ピシバニールにはペニシリンが含有されており、ペニシリンアレルギーの方は使用が困難です。ミノマイシンも同様にアレルギーのある患者様には使用し難くなります。当院ではそういった抗生剤アレルギーのある患者様に対してタルクを使用した胸膜癒着術を施行しております。タルクは欧米では古くから胸膜癒着術の第一選択となっています。
難治性胸水や難治性気胸で薬剤アレルギーがありコントロール困難な方がおられましたら、是非ご相談下さい。