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前立腺肥大症 (BPH)

ご高齢の男性の方の30~50%は前立腺肥大症に伴う症状を有しているとされています。

診断について

国際前立腺症状スコア (IPSS) 、超音波検査による前立腺体積測定、尿流測定と残尿測定の他、PSA測定などにより前立腺癌の鑑別も行います。

治療について

治療はお薬による治療が第一選択で、また、実際非常に有効です。
  • アルファ遮断薬: BPHに対する中心的薬剤です。前立腺の緊張を緩和したり、膀胱への血流を改善させたり、膀胱や脊髄に直接作用したりして尿の勢いや頻尿・尿失禁などの様々な症状を改善させます。
  • 5アルファ還元酵素阻害薬 (デュタステリド): 前立腺を25%程度縮小させる効果のあるお薬で、前立腺体積が30cc以上の患者様に使用される事があります。アルファ遮断薬との併用が有用と言われています。PSAを低下させる作用もありますので、投与中は定期的なPSA測定が必要になります。
  • 抗コリン薬: アルファ遮断薬のみでは過活動膀胱症状の改善が今ひとつの患者様に使用される事があります。ただし、以下に当てはまる患者様では慎重な投与が必要です; 前立腺が大きい・尿の勢いが極端に悪い・残尿がかなり多い・尿閉を繰り返している。
  • ホスホジエステラーゼ阻害薬:従来ED治療薬として用いられていた薬剤の一つが前立腺肥大症にも有効であることが分かり前立腺肥大症に伴う諸症状の改善目的に使用されています。
  • 生薬系のお薬: 前立腺肥大症に伴う前立腺内の炎症の改善などにより症状を緩和させると考えられています。
上記のお薬が無効な場合、あるいは尿閉や尿路感染症、肉眼的血尿を繰り返したり腎機能障害を来したりしている場合には外科的治療の適応となります。外科的治療としてはお腹を切る必要の無い経尿道的前立腺切除術が標準的ですが、当院ではレーザーを用いた治療 (HoLEP) を積極的に実施しています。かなり大きな前立腺肥大症でも取り残しなく安全に治療できる点が大きな利点です。最近では経尿道的な前立腺肥大症手術の大部分がHoLEPになっております。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 泌尿器科

〒153-8515
東京都目黒区大橋2-22-36
TEL:03-3468-1251(代表)