食道・胃外科

食道良性疾患(食道アカラシア・食道裂孔ヘルニア・食道破裂など)について

食道アカラシア

食道アカラシアとは、食道と胃の境部分の筋肉の緊張が強いために食べ物が胃に流れにくくなっている状態です。そのため、食べ物のつかえ感や胸痛があります。また、吐き気や嘔吐をきたすこともあります。症状が軽度の場合には、薬による内科的治療や内視鏡的治療が行われます。中等症から重症の場合には、手術が必要となります。食道アカラシアは、20才代から40才代に多く、国内では100万人に1~2人程度に発症する比較的稀な病気です。良性の病気ですが、専門医の診断を受けて、適切な治療を受けていた抱く必要があります。当科では、内科的治療、内視鏡的治療ならびに手術治療まで、一連の食道アカラシア治療について対応しております。当科では、腹部に5mmから1cm程度の小さな孔を4個ないし5個あけるだけの腹腔鏡手術を行っています。通常は、手術翌日から歩行可能であり、手術後1週間程度で退院可能です。

食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎

食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎とは、食道から胃への移行部分を覆っている横隔膜の”ゆるみ”などが原因となって、胃液が食道へ逆流することで、不愉快な胸焼け症状を呈する病気です。食後の胸焼け症状(苦い胃液の逆流)などが特徴であり、内科的治療で軽快しない重症の場合には、手術の適応となります。食道アカラシア手術と同様に、腹腔鏡手術が標準的手術です。

食道破裂

食道破裂とは、食道に器質的な疾患や直接的外力が加わることがない状態で、突発的に食道全層の断裂を来す病気のことです。下部食道左側に好発し、患者の大部分が中年男性です。嘔吐や腹部打撲などによる急激な腹腔内圧上昇が原因と考えられています。頻度は少ないですが、早期診断・早期治療が重要であり、死亡率の高い病気です。東邦大学大森病院は、3次救急指定病院でもあり、24時間体制で外科医3名が当直しており、常に食道破裂などの緊急手術に対応できる体制となっております。

食道良性疾患手術に関する業績

  1. 島田英昭, 落合武徳 (2000) 食道憩室. 外科 62, 1351-1354.
  2. 島田英昭, 宮崎信一, 落合武徳. (2001) 食道良性疾患手術up to date食道アカラシアの手術. 手術 55, 1881-1886.
  3. 島田英昭, 林 秀樹, 岡住慎一, 落合武徳 (2006) 食道アカラシア手術の最近の進歩.千葉医会誌 82,133-138.
  4. 島田英昭, 落合武徳 (2006) 食道・胃接合部病変 食道アカラシア 食道アカラシアの外科的治療. 消化器の臨床 9,581-583.
  5. 島田英昭他:(特集/食道良性疾患の手術-適応と手技-)食道アカラシアに対する鏡視下手術の実際.手術 60(11), 1663-1666, 2006.