食道・胃外科

食道がんについて

食道がんは、日本全体では年間1万5000人程度が発症します。治療が難しいがんのひとつです。東邦大学大森病院では、年間60~80例程度の患者さんが新規に食道がんと診断されており、このうち手術の適応となる患者さんは、年間20~30名前後です。
早期に診断された場合には内視鏡治療で十分治療が可能です。しかしながら進行した食道がんでは、手術療法、化学療法、放射線療法を組み合わせた治療が必要になります。

食道がん手術実績と治療方針

  • 1980年以降、合計500例以上の食道がん切除手術実績があります。2009年からは食道・胃外科専門グループの責任者(教授)として島田英昭が赴任し、積極的に進行食道癌の手術を行っており、概ね毎月2~3例の食道がん手術を行っております。
  • 臨床研究の結果を踏まえて、術前化学療法後の根治手術を標準治療としています。根治手術では、胸腔鏡補助下に右開胸開腹食道亜全摘3領域郭清術を基本としていますが、個々の患者さんのご病状やご希望を最大限に配慮させていただいて、縮小手術も選択肢としております。
  • 食道がんの中で最も多い胸部食道がんに対しては術前化学療法と頚胸腹の3領域にわたるリンパ節郭清による根治手術を標準治療としています。食道がんの進行度、部位やリスクに応じて鏡視下手術、小開腹・小開胸術を取り入れた縮小手術も行っております。
  • 毎週土曜日には、消化器内科医、消化器外科医、放射線科医が参加するカンファレンスによって患者さんにとっての最適の治療方針を決定しています。
  • お一人お一人の患者さんのご病状の進行度に最適の治療を原則として「食道癌診断・治療ガイドライン」に基づいた標準治療を行っています。
  • 放射線治療後の再発症例に対する手術も積極的に施行しておりますので、他病院にて放射線治療を行った患者さんについても治療可能です。

食道がん手術に関する業績

  1. Shimada, H., et al. Impact of the number and extent of positive lymph nodes in 200 patients with thoracic esophageal squamous cell carcinoma after three-field lymph node dissection. World J. Surgery. 30, 1441-1449, 2006.(3領域郭清術を施行した進行食道癌200症例の検討)
  2. 島田英昭, 鍋谷圭宏, 落合武徳 (2006) 消化器疾患 State of arts 消化管(食道・胃・腸) 治療法をめぐる最近の進歩 周術期管理の進歩 消化管外科周術期管理の進歩. 医学のあゆみ 別冊消化器疾患 3,406-408.
  3. 島田英昭他:(特集/胸部食道癌の診断と治療の実際)胸部食道癌の外科治療の実際. 外科治療 95, 254-261, 2006.
  4. 島田英昭他:(特集/安全な消化管器械吻合をめざして)胸部食道癌切除術における高位胸腔内吻合の工夫. 臨外 63(2): 175-179, 2008
  5. 島田英昭他:高齢者胸部食道癌症例における周術期ステロイド投与. 外科 72(3):247-250, 2010