よりよい日常生活を、最新医療でサポートし続ける
研究ご協力のお願い
メディア掲載情報
東邦大学医療センター大森病院リウマチ膠原病センター(膠原病科) 関連リンク

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
大森病院 リウマチ膠原病センター(膠原病科)

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)

診療の特色

1.リウマチ専門医8名が豊富な経験と確かな技術を生かし、的確な診断・治療を行っています

日本リウマチ学会専門医・指導医である南木敏宏教授が診療部長を務める東邦大学医療センター大森病院 リウマチ膠原病センター(膠原病科)では、計8名(2017年4月現在)のリウマチ専門医が中心となって診療を行っています。

関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(強皮症)、血管炎症候群などの病気を総称して「リウマチ性疾患(膠原病)」といいますが、「対象疾患」のページでも触れているとおり、これらの病気には「互いに似た症状をもつ」という特性があります。

対象疾患

そのよく似た症状から患者さんの病気を特定することが、適切な治療を行ううえで当然のことながら欠かせません。そこで当科では診察所見に血液やレントゲン検査などの所見を加えた総合的なアプローチにより的確な診断に努めています。また、最近では「関節エコー(超音波)検査」を取り入れてさらに精度の高い診断を心がけています。

検査・設備

血液検査やレントゲン・超音波などの検査は確かに診断に役立ちますが、リウマチ性疾患(膠原病)のの診療には“専門医の目”が極めて重要です。これまで多くの症例を手がけてきた経験豊富な専門医がそろう当科では、スタッフ全員が協力し合いながら患者さん一人ひとりに対して総合的な診察を行い、より精度の高い診断および治療につなげています。

2.患者さん一人ひとりに対して最も適した治療薬を処方。リスクをできるだけ防ぎ、患者さんが「質の高い生活」を送れるよう努めています

関節リウマチの薬物療法

関節リウマチは国内における患者数が70万~80万人にのぼるともいわれる非常に多い病気で、当科でも診療の約50%を占めています。

関節リウマチの治療は、主に下記の抗リウマチ薬を用いた薬物療法が主体となります。これに、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬を使うことがあります。また、患者さんによっては後述のステロイドを使うこともありますが、関節リウマチの場合はリウマチ性疾患(膠原病)の中では比較的少ない量しか使いません。

治療薬 特徴 薬の種類(代表的商品名)
抗リウマチ薬(DMARDs) 免疫異常や炎症を改善・抑制する。薬により強さは異なるが、軟骨・骨破壊の進行を抑える効果がある。 メトトレキサート(リウマトレックス)、タクロリムス(プログラフ)、レフルノミド(アラバ)、金注射製剤(シオゾール)、サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)、ブシラミン(リマチル)、イグラチモド(ケアラム・コルベット)、トファシチニブ(ゼルヤンツ)
生物学的製剤(抗リウマチ薬の一種) 上記と同様だが、より強力に抑える力がある。蛋白製剤のため注射でしか効果がない。 インフリキシマブ(レミケード)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、ゴリムマブ(シンポニー)、セルトリズマブペゴル(シムジア)、トシリズマブ(アクテムラ)、アバタセプト(オレンシア)

以前は関節リウマチの治療薬はNSAIDsやステロイドが中心でしたが、1980年代より抗リウマチ薬が関節リウマチの中心的治療薬として注目されるようになりました。中でも、メトトレキサートという週1~2日のみ服用する抗リウマチ薬は、その効果の確実性から今でも一番使われる世界的な標準治療薬です。その後、2003年から国内での使用が開始された生物学的製剤によって、多くの症例に対して病気の進行や悪化を防ぐことが可能となってきています。ただし、高い効果がある一方で感染症などの副作用のリスクもあるため、専門医による適切な処方が非常に重要です。なお、当科では新薬の治験にも施設として積極的に参加し、患者さんにも紹介しています。

なお、関節の炎症が激しく骨が変形した症例などに対しては、手術を中心とした外科的治療が必要になる場合もあります。このような場合にすぐ対応できるよう、当院 整形外科との連携体制も万全に整えています。

参考:整形外科ホームページ

他のリウマチ性疾患(膠原病)の薬物療法

関節リウマチ以外のリウマチ性疾患(膠原病)の薬物療法は、関節リウマチとは異なっています。原則としてステロイドが使われることが多く、しかも、多くの症例では関節リウマチの3~5倍くらいの量が使われます。こうした中等量~大量のステロイド療法は、強力で確かな効果がありますが、どうしても感染症や骨粗鬆症、また糖尿病や脂質異常症などの合併症(副作用)のリスクが高くなります。そのため、最近では免疫抑制薬や、ときに生物学的製剤も使って、なるべくステロイドの量や使う期間を短くするようにしています。なお、詳細な治療方針の決定や、副作用への速やかな対応などのために、入院していただいて治療を開始するのが一般的です。また、関節リウマチと同様に新薬の治験にも施設として積極的に参加しています。
治療薬 特徴 薬の種類(代表的商品名)
ステロイド 強い免疫抑制効果と抗炎症効果があり、臓器障害などの進行を抑えるが、特有の副作用がある。 プレドニゾロン(プレドニン)、ベタメタゾン(リンデロン)、メチルプレドニゾロン(メドロール)など
免疫抑制薬 免疫抑制効果により臓器障害の進行などを抑える。ステロイドの減量にも有用だが、副作用もある。 アザチオプリン(イムラン)、ミゾリビン(ブレディニン)、タクロリムス(プログラフ)、シクロホスファミド(エンドキサン)、シクロスポリン(ネオーラル)など
生物学的製剤 一部の病気には免疫を抑える抗体製剤が使われる。 リツキシマブ(リツキサン)など
当科では、以上のようなさまざまな治療薬を使って、関節リウマチの患者さんでも、他の膠原病の患者さんでも、患者さん一人ひとりの症状に応じて最も適した治療薬を選択し、患者さんの身体への負担をできる限り抑え、患者さんが少しでも快適に生活できるよう、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を向上させる治療に取り組んでいます。

3.気になる症状が現れたらまずかかりつけの病院へ。円滑な地域連携体制により、リウマチ性疾患の早期発見・早期治療を推進しています

リウマチ性疾患(膠原病)は、複数の臓器に障害が多発する「多臓器疾患」ともいわれています。そのため症状も、発熱や関節痛、手足のこわばりなど多岐にわたります。

対象疾患

風邪や他の病気の症状とも似ていますが、気になる症状が現れた場合には、なるべく早くかかりつけの病院を受診されることをおすすめします。早期に発見できれば、早期治療によって進行を抑えることが可能です。しかし発見が遅れて病気が進行すると、関節が変形したり、臓器に大きな障害が起きるなど、重症へとつながる恐れがあります。

当科では地域の病院や診療所、クリニックなどからご紹介いただいた患者さんの診療を積極的に行っています。地域の先生方との信頼関係を大切にしながら着実な診療を積み重ねてきた結果、当科を受診される患者さんの数も年々増加しています。

診療実績

なお、各臓器障害や他の合併症に対しては、腎センターや呼吸器内科、皮膚科などをはじめとする関連各科と速やかに連携し、適切に対応しています。また、入院患者さんの治療方針については関連各科と合同カンファレンス(症例検討会)を定期的に行い、全員でしっかり検討したうえで決定しています。

4.患者さんが少しでも無理なく長期にわたる治療を続けられるよう、さまざまな面からサポートしています

リウマチ性疾患(膠原病)の診断や治療が進歩したことで、安定した状態を保ちながら日常生活を送ることができる患者さんは増えています。しかし病気の原因などはまだはっきりと解明されていないため、炎症などの症状がある場合は病気が悪化しないよう、薬物療法やリハビリテーションなどを続けていく必要があります。

このように治療が長期間にわたることを踏まえ、当科では患者さんの就労状況や経済的な事情など社会的な背景まで考慮したうえで、患者さん一人ひとりにとって最適な治療法を選択するよう心がけています。入院患者さんに対してはソーシャルワーカーによるきめ細かなサポートも行っています。

また、外来の診療は原則として予約制ですが、症状が急変したなど緊急性の高い患者さんにはもちろん随時対応しています。そのような場合には「予約していないから」などと遠慮することなく、ぜひすぐに受診してください。