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よくあるご質問

 

乳がんの手術にはどのような種類があるのでしょうか。

乳がんの手術の種類は、次の3つに大きく分けられます。

①乳房温存手術
乳房(乳頭・乳輪を含む)を残したまま、がんを周囲の正常な乳腺を含めて部分的に切除する手術です。温存した乳房に残ったがん細胞を死滅させるため、術後に放射線治療が必要となります。

②胸筋温存乳房切除手術
乳頭・乳輪、皮膚を含む乳房全体を切除する手術です。

③胸筋温存乳房切除手術+乳房再建術
乳房摘出と同時に乳房を新しく作り直す「一期再建」と、術後に改めて乳房を作り直す「二期再建」があります。

乳がんを部分切除する乳房温存手術と、全摘出する胸筋温存乳房切除術それぞれの適応やメリット、デメリットを教えてください。

乳房温存手術は、基本的に比較的初期の乳がんが適応となります。

一方、胸筋温存乳房切除術は主に下記のような症例が適応となります。

  • 広い範囲にがんが広がっている
  • しこりが4~5cm以上ある
  • 局所再発の恐れがある
  • 遺伝性の乳がんである
ただし、乳房温存手術が適応となる症例であっても、乳房をすべて摘出して再建するこを希望される患者さんもいます。当科では患者さん一人ひとりとよく話し合い、それぞれの治療法についてきちんとご理解いただいたうえで、可能な限り患者さんのご希望に沿う形で治療を進めています。
それぞれの手術の主なメリット、デメリットは下記のとおりです。
  メリット デメリット
乳房温存手術 ・乳房を残すことができる
・身体への負担が少ない
・入院期間が術後3~4日程度と短い
・局所再発の可能性がある
・術後の放射線治療が必要
・乳房が変形しやすい
・結果判明までに約1ヵ月ほどかかる
胸筋温存乳房切除術 ・局所再発の可能性が少ない
・乳房再建術によって、乳房のふくらみを取り戻すことが可能
・乳房を残すことができない
・入院は術後1週間程度要する

乳房再建はどのような方法で行うのですか?

当科では形成外科と協力して、人工物や自家組織を用いた乳房再建術を行っています。人工物と自家組織のどちらを用いるかは、下記のようなそれぞれの特徴や、患者さんのニーズを踏まえたうえで決定します。
  人工物による再建 自家組織による再建
入院期間 1週間程度 1ヵ月程度
傷の状態 胸筋温存乳房切除術後の傷のみ 組織をとった部分(腹部など)にも傷跡が残る
仕上がり 自然。また、形が気に入らない場合などは交換することも可能 姿勢によって形が変わるなど自然な乳房の動きを再現できる
費用 保険適用 保険適用

乳房を再建する際、手術をしていないほうの乳房と同じ形にできるのでしょうか。

下の画像は、当科で人工物による「一期再建(胸筋温存乳房切除術と同時に再建)」を行った患者さんの手術直後の乳房です(ご本人より掲載の承諾を得ています。また手術直後なので傷跡が目立っていますが、時間の経過とともに目立たなくなります)。

この画像でおわかりいただけるかと思いますが、完全に同じ形にはならなくとも、人と入浴したときに気づかれないくらい自然に仕上げることは十分可能です。

乳房の仕上がりは、再建術をこれまでどれだけ手がけてきたかといった歴史や医師の技術のレベルによって左右されるのも事実です。当科は2007年より乳房再建術を行っており、キャリアと実績を積み重ねています。また、東邦大学OBであり、乳房再建術の第一人者である岩平佳子氏が院長を務める『ブレストサージャリークリニック』との連携による治療も行っています。

ブレストサージャリークリニック


高齢になってからでも乳房再建はできるのでしょうか。

もちろんできます。実際に80歳を超えた方の症例などもあります。「みんなで温泉旅行に行きたいから」「孫と一緒にお風呂に入りたいから」といった声が、ご高齢の方からはとくによく聞かれます。

乳房をまったく切らずに乳がんを治す方法はないのでしょうか。

「できれば乳房にメスを入れずに乳がんを治したい」という要望はとても多くあります。具体的には先進医療制度として承認されている「ラジオ波熱焼灼療法(RFA)」や、レーザー治療、凍結療法などがあります。凍結療法とは簡単にいうと「がん細胞を凍結させて死滅させる」方法で、患者さんの身体への負担が少ないことが大きなメリットとして挙げられます。当科ではこの凍結療法についての研究を積極的に進めており、その結果を学会などでも発表しています。ただあくまでもまだ研究段階の治療であり、標準的な治療法としては確立されていません(2015年3月現在)。それでも「切らない治療」を希望される方には、臨床試験に参加していただくという形で、治療を実施しています。

親が乳がんの場合、その子供もがんになる可能性は高いのでしょうか。

乳がんの治療をされた患者さんの中には「自分の娘が将来がんにならないか心配でたまらない」と悩まれる方も多くいらっしゃいます。その中には「遺伝子の変異があれば必ずがんになる」「母親に遺伝子の変異があれば、娘にも同じ遺伝子があるということになる」などの誤解が含まれていることも多くあります。
そこで当科では専門の遺伝子カウンセラーと医師とが合同で行う「遺伝子カウンセリング」を開設し、患者さんの家族歴などを細かく丁寧に伺いながら、適切なアドバイスに努めています。多くの場合、カウンセリングを受けるだけで皆さん安心されますが、遺伝子の検査が必要だと医師が判断した場合や、患者さんが希望される場合には、乳がん遺伝子診断も実施しています。

乳がん遺伝子診断