こころの病について

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ストレスの対処方法

脆弱性というのは、その人が持っている、病気のなりやすさを示すことはお分かりいただいたかと思います。もともと持っている「脆弱性」にストレスがかかることにより、人は、不健康な状態に陥ります。病気で言えば、発症や、再発につながります。
それでは、この、「脆弱性」や「ストレス」は自分自身の力や工夫ではどうにもならないものなのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。
ストレスの度合いを大きくなりすぎないように注意したり、対処したりすることはみなさん自身が工夫でできることです。ストレスについては、病気の再発のところでも触れていますが、精神科の病気では、ストレスの度合いを下げることや、ストレスが上がってもそれに対処することが再発を予防するうえで非常に重要になってきます。その重要性はダムのたとえ話がわかりやすいのでお伝えしたいと思います。
ストレスについての模式図
ダムに入り込む水は環境からのストレスの量を表します。堤防はストレスに対する抵抗力を表しています。堤防が高ければいくら入り込む水の量が多くても問題はありませんが、堤防が低いとダムから水(ストレス)が溢れ出してしまいます。あるいは、堤防は決壊してしまうでしょう。抵抗力が強ければ、ストレスが、一定量より多くなったり、決壊するようなことはないのですが、抵抗力が弱いと、ストレスは許容量を超えてしまったり、弱い堤防を破壊してしまうことになります。精神科の病気だと、これは再発の危機となります。

ストレスへの3つの対処法

さて、ここからは対処の方法になります。みなさん自身で出来る対処方法となるので、良く考えてみるといいでしょう。ダムの水を溢れ出さないようにする方法(ストレスの許容範囲を超えないようにすること)は3つあります。

1.堤防を高くする

1つは堤防を高くする方法です。これは、たとえば薬を服薬して抵抗力をつけることがこれにあたります。これは、先程の脆弱性で言えば、脆弱性を小さくするのに役立ちます。

2.たまった水を放水する

2つめは、たまった水を放水する方法です。このことは、みなさんがストレスをうまく処理するスキルを身に付けることと同様です。ダムで言えば、たまった水を抜く水路を作ったり、近くの山に樹を沢山植えることです。うまく処理する方法は、人によって様々だと思います。自分自身のストレス対処方法を日ごろから意識して取り入れてみましょう。

3.入り込む水を元から断つ

3つめは、入り込む水を元から断つ方法です。これは環境調整をしたり、過度のストレスを避けることなどがあげられます。

しかし、これは、ダムの図でも分かるように全てをさえぎることは出来ません。雨(環境からのストレス)をとめることは出来ないですよね。ただ、全くストレスがない状態がいいかと言えば、それはちょっと、違うようです。例えば、一日中、家の中で生活してる状態を何年も続けていたとしたら、間違いなく抵抗力は弱くなります。生活する上で、一定のストレスはとても大事なものなのです。
さて、これらの3つを行うことができると、ストレスは今よりもぐっと低くなり、再発のリスクを軽減することができるのです。

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