こころの病について

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ご家族のストレス対処方法(本人への接し方へのポイント)

「適度な距離」

ご本人と接する際に、「適度な距離」と言われても実際にはどうしていいか戸惑うことも多いのではないかと思います。家族の感情表出と再発との関係はずいぶん言われているので、心がけ、取り組んでいる人も多いと思いますし、その中で、成功したこと、うまくいかないことなどあるのではないかと思います。
ご家族の、ご本人への心配する気持ちや気遣い、回復への期待などはご本人の治療や、回復のために必要不可欠です。しかし、これが、行き過ぎてしまうと、マイナスになってしまうことが往々にして起こります。

どうしたらよいのか?(ご本人との距離のとり方)

いろいろな方法があるかと思いますが、大事なことはご家族それぞれが、ご自身の生活を楽しむことです。
こういうことを言うと、「本人が苦しんでいるのに自分だけ楽しむことは出来ない。」や、「そんな余裕はない。」とおっしゃられる方も多いのですが、なにも、遠くに旅行に行くようにいっているわけではないのです。
生活の中のほんのちょっとしたことでいいのです。散歩をしたり、時には友人にあったりするのもいいでしょう。もし趣味があるのなら、それに時間を使っても良いのです。

私も実際に、「学生時代にしていたテニスを始めた」とか、「割り切って、習い事を週に数回やっている。」などの話をお聞きしますが、これらのいいところは、自分の時間が持てること、それによって、ご家族自身の気持ちのゆとりが生まれることです。ご家族自身に余裕が生まれれば、必ずご本人にも伝わります。

また、何か新しいことを始める事だけが大事なのではありません。今までの生活を続けること、相談相手を持つこと、正確な情報をもっていること、ご本人の「出来ない」部分に目くじらを立てず、仕方がないこと・・・と諦めることも時には大切であり、必要なことです。

参考文献

精神科リハビリテーション・ワークブック (単行本)
ファルーン,イアン・R.H.〈Falloon,Ian R.H.〉・鹿島 晴雄【監修】・水野 雅文・村上 雅昭【編著】

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