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DUP(精神病未治療期間)

最近では、 治療介入の遅れによる弊害も論じられている。
精神病発症から受診にいたるまでの時間を精神病未治療期間(Duration of Untreated Psychosis: DUP)という。

様々な地域での調査によりDUPはおおむね1~2年と言われている。
つまり、 症状に暫く苦しんだ末にやっと治療にたどり着くという現実がある。
多くの論文でDUPが長いほど精神病の予後は不良であるという結果が示されている。

治療の遅れにより生じる具体的なデメリットとして、回復の遅れ、より不良な予後、心理社会的機能の低下、家族や社会からの支援の喪失、自殺リスクの増加、医療コストの増大などが挙げられている。それらのデメリットは適切な時期の治療介入によって、阻止されうると考えられている。

治療の成否をかける治療臨界期(Critical Period)は発症から3~5年間といわれており、この期間に十分な治療をするためにもDUPの短縮は有用である。海外ではDUPを短縮させる取り組みとして、豪州のEPPIC(Early Psychosis Prevention and Intervention Centre)や、ノルウェーのTIPS(Early Treatment and Identification of Psychosis)などが存在する。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 メンタルへルスセンター イル ボスコ

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