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東邦大学医療センター大森病院脳神経外科 脳ドックのご案内

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顔面けいれんとは?

原因

一般の方には聞きなれない病名かもしれませんが、これは、目元や口など顔面の片側が不規則なリズムでピクっと引きつる病気です。はじめのうちは、時々症状がでるだけですが、病状が進むと、一日中、寝ている時も顔のけいれんを起こします。また、人前など、ストレスや不安にさらされると、さらに悪化しやすいという特徴もあります。

発生頻度は、約1万人に1人とされています。若年者には少なく、中高年に多い疾患です。

顔面けいれんが起こる原因は、脳の深部に存在する顔面神経への刺激です。原因として最も多いのは顔面神経のすぐ近くに存在する細い血管(動脈)による圧迫です。頭蓋骨の中は、脳がほとんど隙間なく入っており、脳の動静脈はそのわずかな隙間を走行しています。また顔面の動きを調節している顔面神経(第7脳神経)もそのわずかな隙間を通過して顔面の表情筋にたどり着きます。この時、神経と血管が接近し過ぎて、接触するようになると、顔面けいれんが発症します。人間の血管は加齢とともに動脈硬化によって蛇行する傾向にありますから、いったん接してしまった血管は時間とともにさらに強く神経を圧迫するようになります。けいれんの頻度や程度・範囲が徐々に悪化していくことが多いのもこのためです。

根治的な治療は、脳の深部の血管の位置をわずかに動かして、神経への圧迫を解除することです。ただし、この病気は放置しても死に至ることはありませんし、脳の手術には時に重大な合併症が発生することもありますので、当科では患者さんと十分に相談した上で治療を行っています。

顔面けいれんの治療

内服治療

飲み薬で顔面神経の興奮を抑えけいれんを抑える治療です。神経の興奮を抑える作用のある薬剤を服用しますので、一度に多くを服用し始めると眠気やめまいが出現することがあります。そのため最初は少ない量からはじめ、徐々に量を増やしていき、治療に有効な量をみつけていきます。根治的な治療ではありません。

ボトックス療法

ボツリヌス菌という食中毒を引き起こす細菌をご存知でしょうか。土の中などに広く分布し、人体に入ると細菌が排出する毒素により神経は麻痺して重篤な場合は呼吸もできなくなります。

この毒素を人工的に薄め安全に使用できるようにしたのがA型ボツリヌス毒素製剤(商品名ボトックス)です。少量を筋肉注射するとその部分だけ筋弛緩(麻痺)がおきます。顔面けいれんの原因は筋肉の異常ではなく、頭蓋骨内の血管が神経を圧迫することであり、興奮した神経が最終的に筋肉へ異常な信号を伝えることで顔面の筋肉(表情筋)がけいれんします。顔面に少量(例えば約0.1mlを数か所)を注射すると同部のけいれんが消失します。

薬の効果は3か月程度とされておりますが、個人差もあり1月程度で効果が消失することもあります。原因に対する治療ではなく、症状を一時的に改善させる治療です。効果が切れれば再度注射をします。

手術治療 (微小血管減圧術)

脳神経外科で行う手術治療です。顔面けいれんの原因となっている脳の深部にある血管を物理的に移動させて神経と接触しないようにします。全身麻酔中にも顔面けいれんが起きているかを評価できるモニタリング(AMR:異常筋反応)がありますので、それを利用しながら確実な治療をめざします。手術合併症としては、術後出血や感染のほか、本手術では、難聴や顔面神経麻痺、術後の小脳の腫脹、飲み込みの障害(嚥下障害)、嗄声(かすれ声)などが挙げられます。手術方法やその合併症については、個々の患者さんに詳しく説明いたします。

鑑別疾患

脳腫瘍や脳動脈瘤、メージュ症候群といった疾患も顔面けいれんと似た症状を引き起こすため鑑別が必要となります。確実な診断を行うのに最も必要なことは専門医による診察です。頭部CTやMRIも併せて行いますが、まず脳神経外科に受診されることが肝要です。