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東邦大学医療センター大森病院脳神経外科 脳ドックのご案内

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大森病院 脳神経外科

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神経膠腫とは?

名称と分類

脳は、神経細胞と神経細胞をサポートしている神経膠細胞(しんけいこうさいぼう:グリア細胞とも呼ばれる)から構成されています。神経膠腫(しんけいこうしゅ:グリオーマともいわれます)という脳腫瘍は、神経膠細胞から発生して増殖します。原発性脳腫瘍のうち、およそ25~30%を占め、代表的な脳腫瘍のひとつです。

神経膠細胞は、星細胞、乏突起細胞、上衣細胞と、さらに細かい種類があり、そのどの細胞の性質に似ているかによって、神経膠腫、乏突起膠腫、上衣腫などと分類されます。

悪性度

神経膠腫の悪性度は、WHO(World Health Organization:世界保健機構)分類の「グレード」というものがあります。手術で取り出した病変を顕微鏡で調べて、腫瘍細胞の分裂が盛んか、異常な細胞が多いかなどから悪性度を4段階で評価します。一番良性のものをグレードⅠ、一番悪性のものをグレードⅣとして、その中間をグレードⅡ・Ⅲとしています。

神経膠腫は、小児期にできやすい一部のタイプ(グレードⅠ)を除き、多くはグレードⅡ~Ⅳであり、少なからず悪性の性質を持っています。グレードⅡ以上だと、周りの脳に浸み込むように成長し、正常な脳組織と腫瘍細胞が混在し、両者の境界がわかりにくいため、手術治療だけでは治療が難しくなります。悪性度の高いグレードⅣの膠芽腫(こうがしゅ)では、平均生存期間は1年余りで、5年生存率は数%です。

当科では、基本的な外科的腫瘍摘出術と放射線と化学療法を行った後も、個々の患者さんに応じて、再手術を検討したり、抗がん剤を追加したりしながら、より生活の質を重視した治療を選択していきます。

症状

悪性脳腫瘍の症状の多くは、頭痛や吐き気などの頭蓋内圧亢進症状です。また、腫瘍が存在する脳の場所や腫瘍の大きさによって、おこる症状は変わってきます。脳梗塞のような、手足の運動麻痺(まひ:動かしにくさ)・しびれなどがおきることもあり、けいれんや目の見えにくさや耳が聞こえにくいなどの症状がでることがあります。これらの症状を認めた患者さんが、病院を受診し、頭部の検査(CTやMRI)で診断されます(図1)。
図1 後頭葉にできた卵大の悪性脳腫瘍
後頭葉にできた卵大の悪性脳腫瘍

治療方法

治療を行うにあたり、CTやMRI検査などを行いますが、脳腫瘍がどのタイプであるかを、確定するためには手術で取り出した病変を、病理学的に検査する必要があります。そのため、よほど脳の深いところで手術ができない場所でもない限り、手術を行う必要があります。また、手術をしてできるだけ可能な限り腫瘍を摘出することで、症状の改善や症状が出にくくすることが期待できます。

当院では後遺症を少なくし最大限の摘出をする目的で、ニューロナビゲータ(車のGPS ナビゲーションに似たもの:図2)、術中電気性理学的検査(脳波検査やモニタリングなど)などを駆使し、最先端の術前シミュレーション(3次元合成画像:図3や実体モデル)を行い、手術合併症の低減を図っています。

手術を行い、病理検査で脳腫瘍のタイプが確定し、悪性度がグレードⅡ以下だと、多くの場合は様子をみます。グレードⅢ・Ⅳの場合は、手術後に放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)を開始するのが標準的治療です。放射線治療は1か月半~2か月程度かかります。抗がん剤は、テモダールというカプセルの内服薬を使用します。最初は、放射線治療をしながらテモダールを42日間連続で内服し、その後は毎月5日間だけ内服する方法を継続して行います。毎月5日間だけ内服する方法は、入院することなく外来通院で可能です。

神経膠腫は、脳内に浸潤し、完全な摘出は困難であり、長い年月でみると現代の医学では腫瘍死を免れることができません。しかし、患者さんによって、余命は大きく異なり、腫瘍がみつかって数か月で亡くなってしまう人もいれば、10年以上生きられる人もおり、本人に最適な治療を積極的に行う必要があります。当院では、本人の希望に沿ってそれぞれに適した治療を行うことを心がけており、患者さん本人とよく相談してから治療方針を決定しております。
図2 ニューロナビゲーター
ニューロナビゲーター

図3 三次元合成画像(薄い緑色が病変)
三次元合成画像

三次元合成画像