伝統的な実践理論に基づいた、世界水準の東洋医学を目指します

野菜薬膳 ~何気ないスパゲッティーが夏の薬膳?!~

はじめに

急に蒸し暑くなった初夏の休日の昼下がり、犬たちの散歩でかいた汗をシャワーで流し、「さて何を作ろうか。のどは渇いているし・・・・」
まず大きめの鍋に湯を沸かし、塩をひとつまみ。玉ねぎはみじん切り、トマトは電子レンジで加熱して皮をむき、なすはへたをとって縦に薄切りに。ついでテフロン加工のフライパンにオリーブ油をひき、みじん切りにしたしょうかとにんにく、唐辛子を炒め、野菜とひき肉を加えて炒め煮にすればボロネーゼースがあっという間に完成。鍋の湯が沸いたところでスパゲッティーを入れて硬めにゆで、ソースをたっぷりかける。これで、薬膳パスタの完成!
このなんの変哲もない昼食のメニューが薬膳だというと、みなさんは驚かれるかもしれません。でも、これは立派な薬膳です。
トマトとなすはどちらも体の熱を冷ます食材ですし、そのうえトマトはのどの渇きも潤してくれます。豚肉にも体を潤して乾きを鎮める効果があります。体を温める玉ねぎ、しょうが、にんにく、唐辛子には、体が冷え過ぎるのを防ぐ働きが。それに、玉ねぎとなすは体から余分な水分を排出してくれます。
つまり、私たちはお昼に食べたスパゲッティ・ボロネーゼは、暑さによるほてりと渇きを鎮め、冷たい水の飲み過ぎで胃がちゃぽちゃぽするのを改善してくれるというわけです。
(橋口亮、橋口玲子著:今日からはじめる野菜薬膳 からだに役立つきほん帖,株式会社マイナビ,2012 より一部抜粋したものです。)
このように、薬膳は、日頃の何気ない食事の中に十分生かせることができ、体調管理に生かすことができます。その背後にはそれぞれの食材と調理法に関する東洋医学の考え方があるのです。
つまり、東洋医学は、病気を漢方薬や鍼灸を用いて治療する面以外に、日頃の食事から病気にならないための体調管理をする、“未病”(まだやっていない病気)を治療するという考えがあるのです。