伝統的な実践理論に基づいた、世界水準の東洋医学を目指します

糖尿病境界型と麻子仁丸との関係

正常と糖尿病の間に位置する糖尿病境界型が注目され、早期に介入することで、その後の進展が合併症の防止が注目されています。食事、運動療法がこの時期には主となりますが、東洋医学科でも、古来からの知識・経験で皆様のお役に立てないか考えて参りました。
その中で、インスリンの反応を悪化されるものとして、チロシンフォスファターゼPTP1Bというものがあります。予備実験によれば、漢方薬の麻子仁丸がPTP1Bの働きを抑制する可能性がみられました。もともと麻子仁丸は便秘によく用いられる漢方薬です。便秘には、便秘薬が使われるのが通常ですが、便秘も血糖値も同時に改善出来るのではないかと考えています。本研究では、臨床上頻用される麻子仁丸を糖尿病境界型の方に用いてインスリン抵抗性の改善を得るか検討致します。また、性ホルモンとインスリン抵抗性との関連性を併せて検査して、全体的な身体のバランスを整える治療効果を目指しています。
当科の外来にてご相談下さい。

方法

東邦大学医療センター大森病院東洋医学科外来にて行います。静脈採血の後、麻子仁丸2.5g-7.5g/日投与開始し、3・6カ月にbody mass index、ウエスト周囲径、空腹時血糖(FPG)、空腹時血中インスリン値(F-IRI)、HbA1c、インスリン抵抗性指数(HOMA-R)、総コレステロール、中性脂肪、HDL-C、LDL-C、遊離テストステロン、LH、FSHを測定し、その変動の推移を比較検討します。

対象となる方

年齢30-65歳の糖尿病境界型に該当する便秘、便秘傾向のある男性、女性。糖尿病に関しては、内服なしの食事療法のみ、6か月間も除外基準の内服の可能性がないと考えられる方。

上記を満たしても、対象とならない場合

インスリン治療、または内因性インスリン分泌に影響を与える薬剤やインスリン抵抗性を改善する薬剤(SU剤、速効型インスリン分泌刺激薬(グリニド系)、ビグアナイド系、DPP4阻害薬)、他の漢方薬を内服中の方。