伝統的な実践理論に基づいた、世界水準の東洋医学を目指します

診療の特色

1.「なんだか最近調子が悪いな……」。そんな心や身体のサインに気がついたらすぐに受診してください

「なかなか疲れがとれない」「身体がだるい」「手や足の先などが冷える」

「気分が落ち込む」「イライラする」……。ここに挙げた症状はほんの一例ですが、こんなふうに日々の生活の中で「なんだかちょっと調子が悪いな」と感じることが増えてきたら、ぜひできるだけ早く当科を受診していただきたい。東邦大学医療センター大森病院 東洋医学科ではそう考えています。

「とりあえず普通に日常生活を送ることができているし、とくに病気というわけでもないのに大学病院を受診してもいいの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに一般的な病院では治療の難しい症例を中心に扱っている診療科も多くあります。

しかし、「今困っている症状を治すだけでなく、その症状が今後も出ないように心身を根本から健やかな状態へと整える」ことを目指しているのが東洋医学です。ちょっとした不調を「病気ではないから」と放っておくことで、症状が重くなっていく場合は少なくありません。気になったときにすぐに受診していただけるよう、当科では他施設からの紹介状がない方のご相談などにも積極的に対応しています。

2.自分の中にある不調の原因に気づくこと。その原因を一つひとつ取り除いていくことが真の健康への一歩です

一般的に、西洋医学では患者さんが医師に申し立てる症状の中でもとくに主要となる「主訴」に重点をおいて診断や治療を行います。一方、東洋医学では主訴だけでなく、その周辺症状まで含めた患者さんの訴えをそのままお聞きすることを大切にしています。

大抵の場合、ひとりの患者さんの中に「頭痛がひどい」「やる気が起きない」「睡眠時に歯ぎしりをする」「便秘しやすい」などさまざまな症状があります。このような一見複雑な症状の原因をひとつにまとめあげ、根本から改善へと導く治療を提供できることが東洋医学の長所です。漢方や鍼灸などゆるやかに心身に働きかける治療方法を主体としており、すべての症状が短期間で劇的に変化するわけではありません。

しかし、患者さん自身が自分の身体としっかり向き合いながら無理なく治療を続けることで、「何が自分の不調の原因になっていたのか」ということを客観的に気づく機会を得られることは非常に多いようです。

単に病気を治す、症状を改善するということだけではなく、今現在よりも自分自身の生活の質を向上できるような本質的な「元気」を身につける。そうして自分の目指す将来のライフステージを実現していく。それこそが「真の健康」であると私たちは考えます。そのためには患者さんが自分自身の中にある問題を見つめ、それを一つひとつ乗り越えていくことが大きな一歩となります。当科では少しでもそのお手伝いができるよう、患者さんとの十分な対話を常に心がけ、適切な診療に努めています。

3.大学病院としての専門性や総合力を十分に生かしながら、患者さんにとってより良い医療の提供を目指しています

漢方や鍼灸などを専門とする診療所やクリニックは全国的に数多くありますが、大学病院であることのメリットのひとつとして、東洋医学と西洋医学両方の高度な知識をもつスタッフにより、「心と身体」を総合的に診断・治療ができる点が挙げられます。

さらに院内の各診療科との緊密な連携体制によって、他科では診断が難しい症例については当科で引き受けたり、あるいは当科でより専門的な検査などが必要だと判断した場合には適切な診療科をご紹介するといったことも迅速かつスムーズに行われています。

現在当科が他科と協力しながら行っている代表的な診療は下記のとおりです。
  • 産科 — 不妊治療の補助療法として漢方を導入
  • 婦人科 — 月経不順などの治療で、ピルと漢方を併用
  • 小児科 — 発達障害のお子さんおよびそのご家族に対する漢方治療
  • 口腔外科 — 三叉神経痛や顎関節症などに対する鍼灸治療
  • 各外科 — 外科手術後の疼痛に対するケア
この他、男性更年期や男性の不妊治療、ピロリ菌除菌の補助療法などにも力を入れています。
各専門外来を設けているとおり、内科、心療内科、皮膚科など、東洋医学の効果が期待できる分野は広範囲に及びます。今後も必要に応じて院内の各診療科と連携しながら、それぞれの専門性をベースにした質の高い総合的な診療を目指します。

参照:専門外来