地域連携日帰りMDTESE(Micro-TESE)
貴院ではどのようにMDTESE(Micro-TESE)を行っていますか?
特殊な局所麻酔を精索と陰のうに注射し、片側の精巣を露出し、精巣を半分に切開して、精巣内を最大倍率の40倍で観察し、良好な精細管(精子を作る場所)を採取します。痛みは特殊な局所麻酔薬を使いますので、手術中や直後は強い痛みはありません。通常、普通の痛み止めの内服2回と座薬1回程度の使用でコントロールされています。(参考:むしろ以前、全身麻酔で行っていた時には目が覚めたときに強い痛みを訴える人が多くありました)。
近くの産婦人科のクリニックにかかっていますが採取した精子を搬送することができますか?
精巣組織の搬送はできます。MDTESE(Micro-TESE)で採取した精巣組織を近くの産婦人科クリニックへ搬送し、その日に産婦人科クリニックで精子検索をしてもらい精子の凍結保存をしてもらってください。事前に産婦人科クリニックの医師と相談してください。
MDTESE(Micro-TESE)で良好な精子を採取できる可能性はどのくらいですか?
男性の事前の検査でFSHが正常で染色体異常やY染色体異常(DAZ欠失)がなければ、約90%で採取できます。FSHが高値の場合や染色体異常がある場合は約40%(cryptozospermia;1mlあたり100万未満を含む)です。
MDTESE(Micro-TESE)手術前のY染色体微小欠失(AZF)検査の意義は?
検査は採血で行います。一部の無精子症の男性にはY染色体のAZFという領域が欠けていること(欠失)が報告されています。無精子症を対象としたAZF領域微小欠失結果とTESE(精巣内精子採取術)の精子回収率に一定の関係が存在します。AZF領域微小欠失結果でAZFa欠失、AZFb欠失、AZFb+c欠失、Y染色体長腕欠失などでは、TESEを行っても精子を回収できないことが分かっていますので、TESE前にこの検査を行えば無駄な手術を回避できますのでお勧めしています。一方、AZFc欠失では、精子を回収できる可能性があるのでTESEを行うこと多いです。しかし、男児が生まれるとAZFc欠失は遺伝しますがその男児が将来不妊症になるかは不明です。
費用は、保険適用されていませんので当院では自費35,000円かかります。
費用は、保険適用されていませんので当院では自費35,000円かかります。
手術日はいつになりますか?
地域連携MDTESE(Micro-TESE)(つまり採取した精巣組織をおかかりの婦人科で検索する場合)は、土曜日の午前中も可能です。当院で精巣組織から精子を検索する場合は、火曜と金曜の昼からになります。
日帰りで大丈夫でしょうか?
痛みは、通常、普通の痛み止めの内服2回と座薬1回程度の使用でコントロールされています。縫合糸は溶ける糸を使用していますので抜糸は不要です。傷の問題があれば電話してもらい受診してもらいますが、ほとんど問題ありません。
日常生活は制限されますか?
傷の消毒はマキロン消毒を1日1回してもらい大きめのバンドエイドかガーゼを当ててもらいます。傷が濡れなければシャワーも良いです。シャワーで傷が濡れてよいのが1週間後、入浴は2週間後、陰のうをぶつけるような激しい運動は3週後からです。事務仕事程度なら翌日から可能ですし、動く仕事ならぴったりした下着をつけガーゼなどで圧迫し陰のうが動かないようにするとよいでしょう。
依頼された産婦人科クリニックへのお願い
精巣組織をその日に精子検索を行ってください。精子検索結果を当センターに検索結果報告書にて報告してください。ICSIをした場合は、採卵数、ICSI数、受精卵数、分割状況、ET、妊娠、出産などのデータを教えてください。下記より検索結果報告書をダウンロードして下さい。
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