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射精障害

射精のメカニズムを教えてください?

射精現象は、seminal emission(精液が後部尿道へ排出される現象)、ejaculation(狭義の射精:後部尿道に排出された精液が体外へ射出される現象)、内尿道口の閉鎖(射精時に精液がぼうこう内に逆流しないようにする)の3つの現象からなっています。
seminal emissionと内尿道口の閉鎖の神経支配は、陰茎刺激などによる性的興奮が中脳、延髄をへて射精中枢(胸腰髄)へ伝えられ、腰内臓神経、上下腹神経、下腹神経、骨盤神経叢、精路の順に刺激が伝わります。
一方、精液の射出は、外括約筋、球海綿体筋、坐骨海綿体筋の律動的収縮によっておこりこれらの筋群は陰部神経の支配を受けています。
その他、大内臓神経(胸髄由来)-副腎髄質系のカテコラミンの内分泌機構によっても射精現象が修飾されていること示唆する知見が得られています。

射精障害にはどのようなものがありますか?

当院リプロダクションセンターでの射精障害には、膣内射精障害(36.8%)、早漏・遅漏(21.1%)、逆行性射精(21.1%)、射精反射がない(19.3%)、その他(1.7%)と膣内射精障害が最も多くみられています。

膣内射精障害ってなんですか?

マスターベーションでは射精できるが性交の時膣内に射精できない状態で不妊の原因になります。
膣内射精障害の原因は陰茎をふとんや床に押さえつけるマスターベーションをしていたことが典型的でそれ以外に陰茎を強く握ったり早く手を動かすマスターベーションの習慣が膣に挿入したときの感覚が違うため膣内で射精できないのです。
また、性交時に自分の性的感覚に集中できない場合もあります。治療はマスターベーションの方法の変更、つまり陰茎をやさしく握りゆっくりスラスト運動(手を上下に動かす)させ、自分の性的感覚に集中する。また、早期に挙児を希望する場合は排卵日前後3日間はマスターベーションで採取した精液を2.5mlシリンジで腟に入れる方法などあります。

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早漏・遅漏ってなんですか?

早漏・遅漏は、射精の時間を自分でコントロールできない状態です。
早漏は、落ち着かない時、疲れているとき、短時間のマスターベーションの習慣などが原因となります。早漏・遅漏は女性の性機能障害の原因にもなります。
早漏の治療は、陰茎刺激し射精の予感がする前に刺激を中断する方法を3回行い4回目に射精するストップアンドスタート法で訓練しながら抗うつ薬SSRIを併用する方法があります。

逆行性射精ってなんですか?

逆行性射精は内尿道口の閉鎖不全により射精時に膀胱側へ射精してしまうので、射精感があっても精液がでない状態です。
原因には腰部交感神経切除術、糖尿病、脊髄損傷、後腹膜リンパ節廓清術、経尿道的前立腺切除術などがあります。
薬物治療は内尿道口閉鎖をおこすアモキサピンや神経を回復させるビタミンB12を用います。無効で子供がほしい場合は、膀胱内に射精した精子を回収して人工授精や体外受精を行います。

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