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陰茎注射(陰茎海綿体自己注射)

陰茎海綿体注射ってなんですか?

陰茎には上側左右に陰茎海綿体があり勃起に関係します。下側には尿道があります。陰茎海綿体に血管拡張薬を注射して、陰茎の血管の検査を行ったり、自己注射では治療として行われます。血管拡張薬は、プロスタグランジンE1が使用されます。以前はパパベリンが使用されましたが持続勃起症や陰茎海綿体内の線維化をおこし勃起障害を悪化させる副作用が多くありました。プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射は日本人(東邦大学石井教授)が世界で始めて行った方法で副作用も少ないものです。皮肉にも世界では認可された治療ですが日本だけが認可されていません。

陰茎海綿体注射はいずれ認可されるのでしょうか?

日本性機能学会では2001年から陰茎海綿体注射(ICI)認可推進委員会で活動を行ってきました。何度も厚生労働省と交渉を行っていますが、めどが立っていません。しかし、同じ厚生労働省の中の労働災害の後遺症認定を扱う部署では、必須の検査項目となっています。

それでは日本ではこの治療を受けられないのでしょうか?

日本性機能学会では、自主研究ということでそれぞれの病院の倫理委員会を通して積極的に行っています。この場合、患者さまと医師の自己責任で行うことになります。

どういう人がこの治療を受けるのでしょうか?

勃起不全治療薬や陰圧式勃起補助具が無効または使用できない患者さまが対象で、陰茎プロステーシス移植手術より先に行う治療法です。

日本での自主研究の成績はどうですか?

勃起不全治療薬が無効または使用できない23歳~84歳(平均年齢54.5歳)64例を対象に、東邦大学を含む多施設でプロスタグランジンE1の陰茎海綿体自己注射を行いました。有効率は77%、副作用は注射時の軽度な痛みを除くと0%でした。外国の報告では有効率82%で副作用は陰茎痛50%、持続勃起症(4時間以上)6%、海綿体線維化2%、不整脈・めまい・顔面紅潮など1%ですが、日本では陰茎痛が少ないといわれています。また、外国での持続勃起症の報告は勃起不全治療薬が発売前のデータですので、6%もありましたが、今回の自主研究では勃起不全治療薬無効例(勃起力が弱い患者さま)がほとんどであったため持続勃起症がなかったと考えられます。

自己注射は難しいと思いますが?

手が不自由な場合を除けば指導で自己注射が可能となります。

持続勃起症ってなんですか?

硬い勃起(パンパンな状態、通常痛みを伴う)が4時間連続で続いた場合を持続勃起症といいます。この勃起が4時間連続で続いた場合、血流が止り陰茎海綿体内に酸素が供給されず陰茎海綿体組織が破壊されていきます。緊急の処置が必要となります。

持続勃起症の緊急処置とはなんですか?

病院で陰茎海綿体内の血液を吸引して血管収縮剤を注入し勃起を収めます。まれにそれでも収まらない場合は、陰茎にメスを入れて切開し血液の逃げ道をつくります。

陰茎海綿体自己注射の注意点はなんですか?

国の認可を得ていませんので、患者さまと医師の自己責任で行う治療です。もちろん保険適用はできません。特に注意しなければいけないのは、持続勃起症を理解していることです。パンパンな状態で通常痛みを伴う勃起が4時間連続した場合を持続勃起症といいます。柔らかい勃起や繰り返す勃起は血液の循環がありますので問題ありません。持続勃起症になった場合、主治医または対応できる病院当直医をいかに受診するか確認しておく必要があります。もう一点は、使用した薬剤アンプル、注射器を必ず病院に持ってきて捨てることです。自宅の一般ごみに出すと大きな問題になります。

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