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持続勃起症

持続勃起症ってなんですか?

プリアピズムpriaipismともいい、勃起が4時間以上継続している状態を持続勃起症と呼びます。持続勃起症には陰茎海綿体内の血液の戻りが悪く虚血状態になる静脈性持続勃起症と陰茎海綿体内の動脈が破れ動脈血が常に流入する動脈性持続勃起症があります。

緊急処置が必要でしょうか?

静脈性持続勃起症は、陰茎海綿体内の血液の入れ替えができなくなり海綿体内の組織が虚血に陥り発症から6時間で組織が壊死し始めます。海綿体組織が壊死すれば器質性勃起障害になります。
痛みを伴う硬い勃起が4時間続いたらすぐに泌尿器科を受診しましょう。
一方、動脈性持続勃起症は動脈血が常に流入する痛みを伴わない柔らかい勃起の場合があり緊急性はありません。

動脈性持続勃起症と静脈性持続勃起症はどのように診断しますか?

動脈性持続勃起症の原因は陰茎打撲とくに会陰部打撲が多く、静脈性持続勃起症の原因には陰茎海綿体注射、飲酒や薬物治療、鎌状赤血球性貧血、白血病などがあります。
動脈性持続勃起症の症状は、陰茎の硬度は不完全な状態で痛みを伴わない、静脈性持続勃起症の症状は、陰茎硬度は完全勃起状態で痛みを伴う。
静脈性では、血流が止まっているため4時間で病院を受診する必要があり、6時間の虚血で陰茎海綿体組織の器質的変化(組織の壊死)が始まります。陰茎海綿体血の血液検査で、動脈性持続勃起症では酸素分圧が高く(動脈血に近い)、静脈性持続勃起症では酸素分圧が低い(静脈血に近い)。超音波カラードプラは、動脈性持続勃起症の確定診断に行われ動脈血の溢流像が見られます。

動脈性持続勃起症と静脈性持続勃起症の治療方法は違いますか?

動脈性持続勃起症は陰茎海綿体内の血液の循環がありますので緊急治療は必要ありません。血液溢流部位の圧迫、クーリング、止血剤、抗男性ホルモン剤の投与などの治療を行い、2ヶ月たって改善傾向がなければ血管撮影を行いながら総陰茎動脈の自己凝血塊による塞栓術を行います。自己凝血塊を塞栓物質に使用する理由は陰茎動脈が修復されたあとに再開通を期待するためです。
静脈性持続勃起症は、緊急治療が必要です。19ゲージ翼状針で海綿体血を吸引し、以下の血管収縮薬のいずれかを海綿体内に注入します。15分後に改善傾向がなければ再度同様の処置を行いますが、血圧上昇作用がある薬なので血圧に注意が必要です。
  • フェニネフリン(ネオシネジン) 0.2mg + 生食水5cc
  • メタラミノール(アラミノン)5mg(1/2A) + 5%グルコース5cc
  • エピネフリン(ボスミン) 0.01~ 0.02mg + 生食水5cc
  • ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)0.02mg + 生食水5cc
薬物治療が無効の場合は、直ちにシャント手術を行います。
よく行われるシャント手術は、陰茎陰茎海綿体と亀頭のシャントで、陰茎陰茎海綿体の血液を亀頭に逃がし血液循環を改善します。亀頭に局所麻酔を行い10号のメスを亀頭から陰茎海綿体に貫通させ、メスを90度回転して引き抜く方法(Tシャント)で亀頭から血液が十分な勢いで流出すれば亀頭部の傷を吸収糸で縫合します。血液の流出が不十分な場合はシャントを拡張します。
静脈性持続勃起症後に勃起障害になるのは約50%といわれています。