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前立腺癌術後EDに対する陰茎注射(陰茎海綿体自己注射)

どんな人に陰茎海綿体自己注射が必要ですか?

ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)が無効で、陰圧式勃起補助具で痛みや不便を感じる人が対象で、陰茎プロステーシス移植手術より先に行う治療法です。

陰茎海綿体自己注射は、国が認可していませんが使用可能ですか?

日本性機能学会では2001年から陰茎海綿体注射(ICI)認可推進委員会で活動を行ってきました。何度も厚生労働省と交渉を行っていますが、めどが立っていません。しかし、同じ厚生労働省の中の労働災害の後遺症認定を扱う部署では、必須の検査項目となっています。日本性機能学会では、自主研究ということでそれぞれの病院の倫理委員会を通して積極的に行っています。この場合、患者さまと医師の自己責任で行うことになります。

前立腺がん手術で神経温存手術を受ければ問題ありませんか?

手術前にEDが無く、両側勃起神経を残すことができれば、EDを予防することができますが、EDになってしまった場合は、ED治療薬を使用します。しかし、高用量のED治療薬でも有効率は65%で、神経温存手術を行ってもED治療薬が無効な場合があります。

前立腺がん手術後のEDに陰茎海綿体自己注射は有効ですか?

当センターでは、ED治療薬が無効の患者(神経温存例7名、非温存例17名、不明例8名)計32名、平均年齢66歳に、プロスタグランジンE1を病院で陰茎海綿体注射テストして、勃起と勃起の持続も十分であったのが23名(72%)、勃起するが持続がやや不十分なのが6名(19%)、不十分が3名(9%)でした。結局20名が陰茎海綿体自己注射に参加して満足しています。

前立腺がん手術後EDに対する陰茎注射の合併症はありませんか?

病院で陰茎海綿体注射テストを行ったとき、2時間以上勃起が遷延した人が1名いましたが、病院でのテストですので別の薬で勃起を収め、次回、薬量を5分の1に減量し問題が無くなったため、減量した薬量で自己注射をおこなっています。前立腺がん術後ED患者に対する陰茎海綿体自己注射は、有効性が高く、専門医の管理においては安全な治療であると考えらます。
使用する薬は、当センターの石井教授が世界で初めて開発した持続勃起症や海綿体の線維化の少ないプロスタグランジンE1を使用しています。プロスタグランジンE1は世界の標準治療に使用されていますが、それ以前に使用されていたパパベリンは、持続勃起症や陰茎海綿体の線維化を起こしやすい薬剤です。日本性機能学会陰茎海綿体注射認可推進委員会のメンバーはパパベリンを使用していません。

陰茎海綿体自己注射の注意点はなんですか?

国の認可を得ていませんので、自己責任で行う治療です。もちろん保険適用はできません。特に注意しなければいけないのは、持続勃起症を理解していることです。パンパンな状態で通常痛みを伴う勃起が4時間連続した場合を持続勃起症といいます。柔らかい勃起(陰茎中央で用手的に90度曲げることができる場合は柔らかい勃起です)や繰り返す勃起は血液の循環がありますので問題ありません。持続勃起症になった場合、主治医または対応できる病院当直医をいかに受診するか確認しておく必要があります。もう一点は、使用した薬剤アンプル、注射器はペットボトルに集めて必ず病院に持ってきて捨てることです。自宅の一般ごみに出すと大きな問題になります。

陰茎海綿体自己注射の費用は?

陰茎海綿体自己注射は、国の認可を得ていません。当然保険も適用させません。
当センターでは、持続勃起症や陰茎海綿体の線維化などの合併症の少ないプロスタグランジンE1を使用しています。費用は1本4000円で行っています。