iSilo と iSiloX の使い方


 
「小児科医の軌跡」の「診療メモを作ってみる」の項でふれましたが、日常業務で必須の、白衣のポケットに入っている「診療メモ」は、html 化して Palm に持ってくるのが便利です。

その方法はいくつかあるわけですが、ここでは iSilo による診療メモを作ってみたいと思います。

iSilo の場合、海外には iSilo 形式の各種医療データが多数公開されていますから、これを機会に購入されても、十分もとは取れるかな、と考えます。


 

まずソフトの入手方法です。

iSilo のサイトから "download" のページに飛んで、"iSilo for Palm OS" をダウンロードします。

リンクをクリックすると詳細説明ページになりますから、ここから "Click to download iSilo" をクリックすればダウンロードが始まります。ZIP 形式で圧縮されたものをダウンロードして適宜解凍するか、Windows の自動解凍形式(Setup.exe)のものを選択するかは、お好み次第です。

解凍して手に入る一連のファイルから、少なくとも "iSilo.prc" を HotSync インストールします。"iSiloManual.pdb" はマニュアルです。一緒にインストールしても良いと思いますが、Webにもマニュアルはあります。"iSiloDisplaySample.pdb" はインストール不要です。"FontSiloLib.prc" はオプションのフォントを扱うファイルで、これもインストールはどちらでも良いと思います。

パソコン上で iSilo のデータを作成したり編集する機能を持つソフトは、iSiloX です。iSiloX のサイトから "download" のページに飛んで、Windows 版または Mac 版をダウンロード、インストールしてください。

なお、iSilo Ver.4.26 までは2バイト文字の処理にバグがあるそうです。iSilo は Ver.4.27 以上を入手してください。

以上で準備は終了です。

 


さて、それでは iSiloX を使って、iSilo のデータを作ってみましょう。

作業手順は次の通りです。


 1) html データをWeb作成ソフトで用意する。

 2) iSiloX でデータの変換をする。

 3) HotSync でデータを Palm または外部メモリにインストールする。

 

1) html データをWeb作成ソフトで用意する。

 Web作成ソフトは、なんでも結構です。

 市販されているのは、たとえば「IBM ホームページ・ビルダー」とか「Microsoft FrontPage」とか「ホームページ Ninja」とかまぁ色々です。Vector などからシェアウェアやフリーウェアのソフトを探してみるのも良いかもしれません。

 僕は普段、FrontPage を使ってWeb管理をしていますので、ここでも FrontPage を例に話を進めます。

 まず、メモ帳は五十音順で作っていますので、その目次である "Menu.html" というファイルを作ります(図1の赤線部)。そしてこのファイルと同じディレクトリに、「あかさたな」の各フォルダを作ります。実際のメモはそれぞれ、各フォルダの中に "a-1.html" などの名前をつけて記述します。

 なお、"C:\" (僕は "D:\" ですが)以下全てのフォルダ名・ファイル名は、日本語を使わないほうが良いようです。

 

 <図1>

 

 目次 "Menu.html" の中は、「あいうえお」順に見出しを作ります(<あ> <か> など)。各見出しの下には、各メモのタイトル(「胃液補正」とか「呼吸機能検査」とか)をつけます。

 一方で "a-1.html" などのメモファイルは、メモ1項目ごとにファイルを用意すると数が増えてしまいますから、ある程度短いメモは、1つのファイルにまとめます。この時、各メモのタイトルを明記して、ここにリンクが飛んでくるように「ブックマーク」というしるしをつけます。図2の<呼吸機能検査>には "spiro" というブックマークをつけてあり(FrontPage は、ブックマーク設定があると点線で示されます)、目次の「呼吸機能検査」のリンクは "ka/ka-2.html#spiro" となっています。

 このメモファイルを、必要なだけ作り、目次を整えます。html ファイルですから、図も文章も混在可能です。また、あるメモの本文から、他のメモへリンクを張ることも可能です。こうして縦横無尽にメモの中を行ったり来たりできるようにすれば、手帳の診療録メモにはない使い勝手の良さが感じられると思います。

 

 <図2>

 


2) iSiloX でデータの変換をする。

 パソコンで iSiloX を起動します。コマンドバーの "File" で "New" を選択、同じくコマンドバーの "Document" から "Add..." を選択すると、"Add Document" というウィンドウが起動します。

 "Step 1 of 3" はまずタイトル決めです。空欄にタイトルを記入して、今回は "Go to the document properties dialog next" にはチェックを入れずに "Next" ボタンで次に進みます(ここにチェックを入れると、後で説明する "Properties" のウィンドウが立ち上がります。慣れたらここにチェックを入れて詳細設定に飛んでも良いと思います) 。

 <図3>

 

 "Step 2 of 3" はファイルの選択です。"Add URL/File" というボタンを押すと、さらに小窓が開きます。Webの場合は、ここに "http://" から始まるURLを入力しますが、今回はメモですので、ここに "Menu.html" を入力します。"Browse..." ボタンを押せば、ファイル選択画面が開くのは、他のソフトと同じです。"Source" に選択したファイルが表示されたら、"Next" ボタンです。

 <図4>

 

 "Step 3 of 3" は HotSync 先の決定です。プルダウンから HotSync する Palm を選択してください。 

 "Convert the document immediately when I click Done" にチェックを入れると、"Done" ボタンを押した瞬間に、ファイルの変換が始まります。ここではまだ設定項目がありますので、チェックは入れずに "Done" です。

 <図5>

 

 さて、そうすると iSiloX の画面上に、今つけたタイトルが表示されます。

 このタイトルにマウスカーソルを合わせて右クリックすると(Windows の場合です)メニューが表示されますので、一番下の "Properties" を選択すると、"Properties" のウィンドウが表示されます。詳細な設定はここで行うことになります。

 <図6>

 

Source 先ほど選択した、変換する元ファイルが表示されていると思います。図1の例なら、"Menu.html" ですね。
Destination 先ほど選択した、HotSync 先です。ここで "Add destination:" にある "HotSync" というボタンを押すと、追加の HotSync 先が選択可能です。もし外部メモリへのインストールを希望するなら、希望する Palm を選択した上で "External memory card" というところのラジオボタンをオンにします。すると、たとえば僕なら "Go Matsuyama: External memory card" という HotSync 先が追加されます。不要な HotSync 先は "Remove" ボタンで削除します。
Links

リンクに関する詳細設定です。"Maximum link depth" というのは、リンクを追いかける階層の深さです。Menu.html と同じレベル(図1なら、"a" や "ha" のフォルダーそのもの)なら、レベル0です。もし "a" や "ha" のフォルダーの中にあるファイル("a-1.html" など)まで変換が必要なら、レベル1です。診療メモの場合、通常はレベル1〜2の設定で良いと思います。

 "Follow off-site links" は、サイトの外までリンクを追いかけるかどうか、です。通常は0または1程度で良いと思います。あるいは診療メモなら、チェックを入れなくても良いと思います。

 "Follow only links〜" は、Menu.html の前まで(D:\Palm-Ped\)が一致したファイルだけを追いかけます。

 "Including unresolved link detail" にチェックを入れると、指定したリンク階層よりさらに深いリンクがあった場合、そのリンク先のURLを表示します。もしここにチェックを入れなかった場合は、「これ以上はリンク先を表示できない」というエラーのみが表示されます。

Images

画像に関する設定です。"Include alternative text of images" にチェックを入れると、画像の説明テキスト(通常 alt コマンドで記述されています)を一緒に変換します。

 "Include images" は変換時に画像を含める、という文字通りの意味です。"Resize large images" にチェックを入れると、指定した大きさまでリサイズして(小さくして)くれますが、メモを作る場合は、むしろここのチェックをはずしておいた(リサイズしない)方が良いと思います。この方が、大きな画像は Palm の画面からははみ出すものの、十分読み取れる品質で表示されます。

tables 表形式を表示させるかどうかの設定です。"Ignore all table formatting" のラジオボタンにチェックを入れると、表は取り込まれません。"Process table formatting" は表の段組を何段まで表示させるか、などの設定ですが、通常は何も設定はいらないと思います。
Color 背景や文字の色の設定です。通常は "Background" も "Text" も、"Keep all〜" という項を選択しておけばよいと思います。
Margins 文字通り、マージンを決めるタブです。通常は "Margins" も "Padding" も "Keep all left〜" を選択します。ちなみに本文を罫線で囲むとして、 "Margin" は紙と罫線との間の余白、"Padding" は 罫線と文字までの余白を意味します。したがって見た目の余白は、もし罫線が透明なら、"Margin + Padding" となります。
Security Palm に転送するファイルに設定するセキュリティです。コピーやビームの可・不可、印刷の可・不可などの "Permissions" 項目や、ファイルを開くためのパスワードの設定が可能な "Pass Phrase" 項目、ファイルの有効期限を設定できる "Document Expiration" がありますが、通常は "Permissions" に全てチェック入れて、残りの設定は不要です。
Text あらかじめ書式の決まっている文章において、monospace font(等幅フォント)を使うか、line break(強制改行)はどうするか、あるいは書式未定の文章で Tab の設定はどうするか、などを設定します。
Document "Page Boundaries" はページの境界処理をどうするかで、ページの境界を越えてスクロールをするか、次ページに移動を許可するか、設定します。通常はデフォルトの "Hard" で良いと思います。

"Default Category" では文章にカテゴリー設定をするか決めます。通常はデフォルトの "No default category" で良いと思います。

"Home Page" は文章を開くときのページを設定します。通常、文章の最初のページは1ページですが、もし違うページを開きたい場合に、ここを設定します。

一番重要な設定は、"Text Encoding Options..." のボタンです。図6を参考に、"Output document text encoding" で "None"を、"For source files〜" で "Default" を選択します。これ以外の設定ですと、日本語が文字化けするようです(選択肢には "Japanese" もあるのですが、これは選択しません)。

Access もしアクセスするWebが、ID・パスワードを要求する認証が必要な場合、ここで設定します。
Bookmarks ファイルやオンライン上にあらかじめ作成されたブックマーク(お気に入り)を文章に加える場合、ここを設定します。
Messages 文章に関する様々な情報(作者やバージョンその他)を付け加える場合、ここで設定します。ある程度フォーマットが決まっていますので、マニュアルを参照ください。
Cookies クッキーを送受信する設定ですが、通常は設定不要だと思います。
Scheduling iSilo への自動変換を行うスケジュールの設定ができます。Webを定期的に iSilo 形式に変換する場合、ここで設定します。
Targets 別の変換文章(ドキュメントファイル)からのリンクを張るときに、ここを設定します。これにより、複数のドキュメントファイルをまたいだハイパーリンクを張ることができます。通常は設定不要です。

 

 以上の設定が終わったら、OKボタンでウィンドウを閉め、iSiloX 上でもう一度変換したいファイルをクリック、反転表示(青地に白文字)させます。

 そして "Convert All" というボタンを押せば、iSilo 形式への変換が始まります。無事に変換が終われば、"Status" に "Successful conversion" と表示されますが、何かエラーが表示された場合は、それぞれチェックしてみてください。

 

3) HotSync でデータを Palm または外部メモリにインストールする。

 あとは HotSync のボタンを押すだけです。

 必要な変換された一群のファイルは、Palm にインストールされます。Palm 上で iSilo を起動してみれば、インストールされたファイル一覧を眺めることができます。

 



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