臨床検査部の紹介

臨床検査部の紹介

院内で行われる検査分野での分析とその結果を報告する業務に18名の臨床検査技師が従事し、24時間365日対応するため通常勤務に加えて日当直体制で運営しています。多数の検体の迅速な結果を報告するために、また予期せぬ機器異常により報告が遅延することがないように各分野に複数台の検査分析機を設置しています。それぞれの機器には無停電装置などを装備し検査室全体の危機管理にも対応しています。

多岐にわたる検査項目の精度管理を実施するために検査室では毎日精度管理を確認するとともに定期的に外部精度管理調査などに参加し、安全で安心な医療を実践するための検査を提供しています。

生化学検査について

血液中の蛋白質、糖質、脂質、電解質、酵素などの化学物質を測定します。健康状態はもちろん様々な病気の診断、治療効果の判定に用いるとともに、あらゆる分野で新たに樹立された病気の考え方やガイドラインに沿って最新の検査技術を導入し対応しています。
生化学自動分析装置 JCM-BM6050 生化学自動分析装置 JCM-BM6050

血液学検査について

赤血球の数や含まれるヘモグロビンの量を測定し、主に貧血の診断と治療効果の判定に用います。また細菌や異物を排除する働きをする白血球の数や出血を止める血小板の数も測定しています。その他に血液の固まり方を総合的に調べる凝固検査も行っています。迅速な結果が必要となる検査が多く、測定検体の状態を常に確認しながら測定、報告を行います。
多項目自動血球分析装置 XE-2100 多項目自動血球分析装置 XE-2100
血液凝固分析装置 ACL TOP 500 CTS 血液凝固分析装置 ACL TOP 500 CTS

免疫血清検査について

肝炎ウイルスの抗原や抗体価、腫瘍などにより血液中に検出される蛋白質(腫瘍マーカーと呼ばれます)、そして様々なホルモンを測定します。感染症の流行の情報を共有し、いち早く対応する準備を行うなど最新の検査情報も集めています。
ARCHITECT® アナライザーi2000SR ARCHITECT® アナライザーi2000SR

一般検査について

尿検査と髄液検査、体腔液検査などを行います。尿検査では尿中の蛋白質、糖質、出血の有無など測定し、主に腎臓や尿路の状態を調べます。採取のために患者さんが痛みを伴うような検体を扱うことも多く、慎重にかつ正確に検査を行うことを心がけています。
全自動尿分析装置 クリニテックアトラス 全自動尿分析装置 クリニテックアトラス

細菌検査について

体から採取された様々な材料(血液、尿、痰、膿など)から原因となる微生物を検出し、感染症の診断に用いています。検出された細菌の抗生物質に対する薬剤感受性検査、結核菌などの抗酸菌検査も行います。その他微生物検査について院内と全国の情報を組み合わせ迅速な治療に結びつくようにしています。
全自動同定感受性検査装置 VITEC2 compact 全自動同定感受性検査装置 VITEC2 compact

遺伝子検査について

近年、個人の体質の差による薬剤の効果や副作用の発現を事前に予測することにより、最適な薬剤の選択や投与量を決定する投薬前遺伝子検査(PGx検査)が注目され始めています。
遺伝子検査室では薬剤の代謝に関わる遺伝子やがん細胞の遺伝子変異解析を行い、個人の薬剤効果予測及び副作用の発現予測を調べます。現在は「UGT1A1遺伝子多型解析」および「EGFR遺伝子変異解析」を行っています。

「UGT1A1遺伝子多型解析」とは?

UDPグルクロン酸転移酵素 (UGT: uridine diphosphate glucuronosyltransferase) のひとつであるUGT1A1には遺伝子多型が存在します。UGT1A1遺伝子多型(UGT1A1*28とUGT1A1*6)は、抗がん剤「イリノテカン塩酸塩水和物」の代謝に関与しており、それらの遺伝子多型をもつと好中球減少などの重篤な副作用リスクが高まることが報告されています。従って、「イリノテカン」投与前にUGT1A1遺伝子多型を判定することにより、重篤な副作用発現を予測することが可能となります。
遺伝子解析装置 i-densy IS-5320 遺伝子解析装置 i-densy IS-5320

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
佐倉病院 臨床検査部

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
TEL:043-462-8811(代表)