呼吸器内科
東邦大学医療センター佐倉病院 内科学講座
東邦大学医療センター佐倉病院

【お問い合わせ先】

東邦大学医療センター
佐倉病院 呼吸器内科

〒285-8741
千葉県佐倉市下志津564-1
Tel:043-462-8811(代表)

当科で診療している疾患、お断りしている疾患について

他院からの紹介を積極的に受け入れ、当科で診断から治療まで行っている疾患

肺癌

呼吸器外科、病理、放射線科と協力し、原発性肺癌のほか、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍の診断、治療も行っています。通常の気管支内視鏡はもちろん、超音波内視鏡、局所麻酔での胸腔鏡、CTガイド下肺生検なども、行っています。肺癌のEGFRやALK遺伝子変異の検索も常時行っています。
治療方針は、毎日の呼吸器内科カンファレンス、毎週の内科・外科・病理合同カンファレンスにて、複数の医師で相談して決定しています。肺がん手術症例数は、年間40-50例程度、抗がん剤治療は、2013年は、246人に実施しています。抗がん剤治療は、初回は入院、2回目以後は外来化学療法室にて行うことが多いですが、病状により、臨機応変に対応しております。入院、外来とも、薬剤部、看護部と協力し、安全で、副作用の少ない抗癌剤治療を心がけています。2012年度からは、肺癌化学療法の効果をより客観的に判断し、より良い治療を模索するために、「臨床試験」を開始しております。放射線治療設備も完成し、専門医による放射線治療が開始されています。化学療法、放射線治療、手術など複数の治療を組み合わせた、「集学的治療」も行っております。他、気道狭窄に対する、ステント挿入、アルゴンプラズマによる腫瘍の焼却治療なども行っています。
緩和医療に対しては、医師・看護師・薬剤師・臨床心理士からなる緩和ケアーチームで対応していますが、緩和医療専門の病床は有しておらず、緩和医療目的での紹介入院は受け入れておりません。

間質性肺炎(急性)

間質性肺炎の中でも、急速に進行するケースは、診断も治療も難しく、それだけに、当科が優先して対応しなければならない疾患です。遠方からの搬送も含め、多くの患者さんを診療しておりますが、改善しない方も少なくないのが現実です。
間質性肺炎の原因として、感染症によるもの、薬剤によるもの、その他の物質によるアレルギーによるもの、膠原病に合併するもの、などがあり、心原性肺水腫などの循環器疾患との鑑別も含めて、できる限り、精度の高い診断を行うこと、DICなどの合併症対策、治療で用いるステロイドへの副作用対策なども含めて、丁寧な対応を行うこと、この2点を特に意識して、少しでも良い治療ができるように日々、努力しております。

間質性肺炎(慢性)=肺線維症

慢性の間質性肺炎=肺線維症は、その種類により、経過、治療方針が大きく異なります。なかでも、特発性肺線維症(IPF)は、難治性であり、有効な治療はありませんでした。しかし、最近、発売された抗線維化作用を持つ薬(ピルフェニドン)や、抗酸化作用を持つ吸入薬(Nアセチルシステイン)が症例によっては、進行を抑制しうることがわかってきました。 全員に効果があるわけではなく、副作用、費用の問題もあり、よく相談の上で、対応させていただいております。慢性間質性肺炎の急性増悪に対しては、上記の急性間質性肺炎以上に治療は困難ですが、臨床研究として新しい治療の試みを開始し、従来を上回る成績を得ております。

急性呼吸不全

酸素吸入を必要とする状態を呼吸不全といいます。急激にそのような状態になった場合を急性呼吸不全といい、呼吸器疾患では、重症肺炎、気管支喘息大発作、間質性肺炎などが原因になります。特に重症で、人工呼吸療法の必要性が考えられる場合は、空床状況にもよりますが、集中治療室(ICU)での治療を行っています。他院からの搬送も多数受け入れています。敗血症に伴う急性呼吸不全(急性肺障害)などに対してはエンドトキシン吸着療法などを行っています。

市中肺炎

肺炎は、一般の方が罹患する「市中肺炎」、手術後などの入院患者に発症する「院内肺炎」に大きくわけられます。臨床検査部と連携し、院内にて細菌検査、抗原・抗体検査などで病原体の早期同定につとめながら、過不足のない抗菌剤治療を心がけています。外来での治療が可能な軽症例から、上記の「急性呼吸不全」となる重症例まで、重症度には差があります。
 吸器疾患・心疾患などの基礎疾患のある方は市中肺炎の予防としての肺炎球菌ワクチンを接種する事をお勧めしています。

肺高血圧症

右心室から肺に向かう肺動脈の抵抗と圧が高まり、心拍出量の減少から、息切れ、呼吸苦などを引き起こす疾患です。各種の呼吸器疾患に合併する場合、肺動脈内の血栓形成による場合、膠原病による場合、原因不明の場合などがありますが、最近、あいついで、新しい治療薬が登場し、注目されている疾患です。循環器センターとも協力して、診断、治療にあたっています。

気胸

若年男性に多い自然気胸、慢性閉塞性肺疾患や肺線維症に合併する続発性気胸があります。外科と協力して、積極的に手術治療をおすすめしています。外科治療の場合、術後合併症がなければ手術後2~3日の早期退院が可能です。手術希望されない方や合併症によっては、内科で治療いたします。難治性の気胸に対しては、薬剤や血液を使った癒着術、気管支充填術などを試みる場合もあります。若年女性の気胸では、月経随伴性気胸や肺リンパ脈管筋腫症などの特殊なものもあり、胸部CTなどで、早期発見を心がけています。

慢性呼吸不全と在宅酸素療法

慢性閉塞性肺疾患、肺切除後、間質性肺炎などの結果として、慢性的に血液中の酸素濃度が低くなっている場合を慢性呼吸不全といいます。原因になる疾患の治療を行いながら、呼吸不全に対して在宅で酸素療法を行っていきます。肺切除後や慢性閉塞性肺疾患では、酸素吸入により予後が改善する事が証明されており、単に苦しさを和らげるだけでなく、「酸素もくすり」という考えが必要です。

慢性呼吸不全急性増悪と人工呼吸

慢性呼吸不全の方が、肺炎、心不全、喘息発作などで、「急性増悪」を起こす場合があります。酸素や薬物治療で改善する場合も多いですが、不十分な場合は、「人工呼吸」が必要になる場合もあります。最近は、鼻マスクを用いた人工呼吸も普及して、当科でもよく使用しますが、一定以上増悪した場合は、チューブを入れたり、気管切開を行っての人工呼吸が必要になります。病状によっては、人工呼吸器からの離脱が困難になる場合があり、本人、家族に大きな負担になります。そのような場合に備え、救命治療、延命治療に対する自らの考え、希望を「living will」として日ごろより考えておく事も必要です。私たちも多くの経験から得た医師としての考えもあります。安定しているときに、担当医と話し合っておくことをおすすめします。

非結核性抗酸菌症

その名前のとおり、結核に類似しているが結核とは異なる菌による慢性の呼吸器感染症です。気管支拡張症に合併する場合が多くみられます。結核と違い、人に伝染する事はなく、症状も軽い場合も多いですが、薬は結核より効きづらく、複数の薬を長期に服用することが必要になります。症状の重い場合、治療しても治らない場合、呼吸不全に至る場合もあります。そのため、年齢、症状、などを考慮した上で、経過観察、薬物治療、外科治療の方針を決定しております。経過観察のみの場合は、お近くの医療機関を紹介しております。

禁煙外来

喫煙は、多くの呼吸器疾患の原因であり、ほとんどの呼吸器疾患の増悪因子です。喫煙は、自分だけでなく、まわりの人の気管支や肺にも障害を与えます。全ての呼吸器疾患患者は、禁煙をするべきと考えております。禁煙が自力や市販薬では難しい場合は、禁煙外来にて、医師と専属看護師がお手伝いをします。2006~2009年までに当院の禁煙外来を受診された方で禁煙外来通院3ヶ月間の禁煙成功率は66%です。禁煙をするという本人の強い意思であることはもちろんです。月曜日午後のみの対応で、混み合っているため、お近くの医療機関への受診をおすすめする場合もあります。

その他の呼吸器難病

COPDと似ているが治療が大きく異なる「びまん性汎細気管支炎」、難治性の気管支喘息になりやすい「チャーグ・ストラウス症候群」や「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」、膠原病肺、サルコイドーシス、肺リンパ脈管筋腫症、各種先天異常、肺動静脈婁、真菌など特殊な病原体による肺感染症、様々な原因による急性肺障害、など、特殊な疾患であっても、常に最適・最新の治療ができるよう、日々、努力しております。

当科で診断と初期対応を行い、以後は他の医療機関と連携して対応していく疾患

気管支喘息

気管支喘息は、患者数の多い一般的な疾患ですが、時に他の疾患と区別が難しい場合もあり、正確な診断が必要です。診断が確定されたあとは、急性疾患としての発作時の治療に引き続いて、慢性疾患としての日常管理、発作の予防を行っていきます。タバコや、ハウスダスト等の各種アレルゲンなど、悪化の要因を取り除けるようサポートをした上で、ステロイド吸入(看護師および院外薬局の薬剤師が吸入指導をしています)を中心とした、慢性疾患としての治療を行っていきます。診断と治療方針決定後は、お近くの先生への紹介とさせていただきます。

気管支拡張症

乳幼児期の肺炎や、小児期の結核などの後遺症として、気管支の一部が拡張して痰が貯留し、慢性的な炎症を起こす疾患です。症状のない場合、時に血痰や喀血がみられる場合、慢性的に咳、痰がみられる場合などがあります。まれに手術の対象になる場合もありますが、経過観察か、内服で様子をみる場合が大半であり、病状が安定していれば、お近くの先生へ紹介とさせていただいております。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫

身体診察、胸部HRCT,精密肺機能検査等を行い、心疾患との鑑別などにも注意し、正確な診断を心がけています。COPDの原因の大半が喫煙であることから、喫煙中の方には、まず、禁煙指導からはじめています。禁煙がどうしても困難な場合は、禁煙外来で、専属の看護師と医師がサポートいたします。診断と治療方針決定後は、お近くの先生への紹介とさせていただきます。(在宅酸素が必要な症例は慢性呼吸不全の項を参照)

慢性気管支炎

慢性に咳、痰が続く場合で、喫煙に関連するもの、喘息に関連するもの、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に合併するもの、気管支拡張などの気管支・肺の形態異常に伴うもの、にわけられます。禁煙、合併症に対する治療の他は、対症療法が基本であり、治療方針決定後は、お近くの先生への紹介とさせていただきます。(在宅酸素が必要な症例は慢性呼吸不全の項を参照)

結核

結核は現在でも、重要な疾患であり、高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある方はもちろん、健康な若年者での発症も決して珍しくはありません。重症化すれば生命にも関わりますが、早期に発見できれば、外来で比較的容易に治療できる場合もあります。咳の長引く場合(2週間を目安)は、レントゲン検査をするなどして、早期の発見に努めています。
「排菌」をしている場合は、法令の規定により隔離入院が必要になります。結核である事がわかっている患者様、特に排菌が明らかな患者様は、当科で受け入れる事はできません。当科受診後に結核である事がわかった患者様は、結核専門病床を有する他の医療機関に紹介しております。当院外来で治療が可能な場合もあります。

結核後遺症や手術による低肺機能=慢性拘束性換気障害

結核や癌のため肺を切除したり、胸膜が癒着するなどの原因で、肺活量が落ち、息切れなどの症状を起こす疾患です。側湾症などによる胸郭の変形が原因の場合もあります。COPDと間違えられている場合が少なくありませんが、治療方針や対処法は異なります。心臓への負担から肺高血圧症にもなりやすいですが、早期の酸素療法や、夜間の鼻マスク式人工呼吸などの導入で、予後が改善する事が多く、正確な診断が必要です。(在宅酸素が必要な症例は慢性呼吸不全の項を参照) 経過観察のみの場合は、お近くの先生へ紹介させていただいております。

睡眠時無呼吸症候群

外来での簡易型検査や入院での精密検査により睡眠時無呼吸検査を施行しています。長期の治療が必要になる疾患です。当科では診断と初期治療方針の決定までを行い、以後は、お近くの医療機関へ紹介させていただいております。

アレルギー疾患について

アレルギーとは、本来、体を守るべき免疫システムが体に害をもたらす方向に働いてしまう状態です。花粉症、アトピー皮膚炎、アトピー型気管支喘息のように、アレルギー原因物質に免疫システムが過剰反応して起こる、狭い意味の「アレルギー疾患」と、免疫システムが自分自身に働いてしまう「自己免疫疾患」にわけられます。
当科は、かつて、膠原病専門医の医師と共に「呼吸器・免疫・アレルギー科」として運営してきた実績があり、現在も、日本アレルギー学会専門医が2名おり、アレルギー疾患に対する対応は可能ですが、患者数、病床数、診療体制の問題から、アレルギー関連の診療体制は縮小し、「呼吸器に関連したアレルギー疾患、自己免疫疾患」を扱い、それ以外のケースは、他院紹介を原則としております。

当科での対応を基本的にはお断りしている疾患

いわゆる「かぜ」

かぜは、呼吸器の入り口である上気道の感染症であり、広い意味での「呼吸器疾患」になります。多くの呼吸器疾患は「風邪」症状で始まることから、軽視しすぎてもいけませんが、かぜの大半は、自然に、または最小限の投薬で治癒に向かうものですので、経過をみて判断していくことが重要です。まずは、お近くの医院におかかりになり、必要な場合に、ご紹介いただく事が、診療を円滑にすすめる上で重要と考えます。

禁煙の意思のない方の気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患

喫煙は多くの呼吸器疾患の原因であり、すべての呼吸器疾患を増悪させます。特に気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の患者さんにとって、禁煙は最も重要な治療です。
治療をして症状が改善することで、喫煙を継続・再開される方もいらっしゃいます。しかし、それでは、喫煙を継続するためのお手伝いを私どもが行うことになります。気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患の治療を当科で行う際には、禁煙することを約束していただいております。禁煙する意思のない場合は、診療をお断りさせていただきます。

介護関連肺炎、誤嚥性肺炎

脳血管障害のある方や高齢者に多い「誤嚥性肺炎」は、反復しやすく、長期療養・介護が必要になる場合が多く、最近は「介護関連肺炎」として、とらえられています。 高齢化社会を背景に、非常に増加しており、社会的にも医学的にも非常に重要な疾患です。
しかし、「介護関連肺炎」には、呼吸器内科としての専門的検査、治療よりも、リハビリ、在宅療養、介護サービスを含めた長期的対応が必要です。当科のベッド数は限られており、長期の入院へは対応できません。そのため、当科に入院した場合、結果的に患者様やご家族にも、かえってご迷惑をおかけする事になります。そのため、介護関連肺炎のための入院、転院依頼は、全てお断りさせていただいております。救急搬送例につきましても、早期に、他院へ転院をお願いしております。重症例であっても同様です。