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【学び直す】 No.3 文献講読-初級(第1回/全3回)講座開催レポート

※共催:東邦看護学会(会員50%オフ)

概要

「心不全で入退院を繰り返すAさん。今回も何とか退院できたけど、また帰ってくるのかな。でも、今回は、退院までに食事のこと、内服のこと、睡眠のことなどしっかり指導できたから大丈夫なはず。私にできることはやったし、達成感もある。これっていつもと何が違うんだろう・・・」

「術後3日目のBさん。なんか術前のBさんじゃないみたい。先輩はせん妄だから時間が経てば良くなるって言うけど、本当かな。Bさんは手術の不安が強かったから心配。早く辛い時期を乗り越えさせてあげたいけど、どう援助してあげればいいの?」

こんなとき、どうしますか?そしてもしあなたが先輩ナースだったら、こんな疑問をもつ後輩にどんなアドバイスをしますか?この「文献講読」講座では、こんな悩みの解決の糸口を見出します。

期待される学び

  1. 臨床での看護を考えます。
  2. 文献を日々の看護実践にどのように生かせるか考えます。

講師

堀 孔美恵 大橋病院 がん看護専門看護師 師長補佐 修士(看護学)
山田 亨   大森病院 急性・重症患者看護専門看護師 修士(看護学)

対象者

No.2「文献検索」修了者 または修了者と同程度の方どなたでも

受講者

8名

スケジュール

第1回 10月29日(水) 18:00~20:00
東邦大学看護学部 新館2階 第1演習室
講義と演習 (山田)
  • 講義 「日ごろの疑問を調べる —知りたい内容が調べられるためには?— 」
    ・EBM, EBNについて
    ・関心を疑問へ
    ・漠然とした疑問をリサーチクエスチョンへ
    ・検索した文献の抄録を読んでみる
    ・研究について
  • 演習  ひとり1台ずつパソコンを使い、「自己の臨床の疑問」について文献検索
第2回 11月21日(金) 18:00~20:00
東邦大学看護学部 新館2階 第1演習室
講義と演習 (堀)
  • 講義 「文献の内容を検討する—クリティーク」
    ・クリティークすることの意味
    ・内容検討の視点
  • 演習 「文献を読む」
第3回 12月8日(月) 18:00~20:00
東邦大学看護学部 新館2階 第2演習室
ディスカッション
  • 日ごろ臨床で感じている疑問を解決するための文献を検索し、その内容を検討する
大森病院 急性・重症患者看護専門看護師 山田 亨 先生
大森病院 急性・重症患者看護専門看護師
山田 亨 先生
大橋病院 がん看護専門看護師 師長補佐 堀 孔美恵 先生
大橋病院 がん看護専門看護師
師長補佐 堀 孔美恵 先生
1人1台のPCを使用し、演習中
1人1台のPCを使用し、演習中
ディスカッション
ディスカッション

受講者の声

  • 文献は、日々の看護の悩みや疑問を解決でき、今やっている看護が正しいと支持してくれるものだと感じた。
  • 文献を探す、選ぶところから学べた。
  • 文献の調べ方も分からずに参加したが、丁寧に教えてもらい検索できるようになった。
  • ひとり1台ずつパソコンがあったので、わからないことを質問しやすかった。
  • 自分の疑問を明確にするところが難しかった。
  • 文献を実践に活用することは、日々の仕事の中で積み重ねていかないと習慣にならないと感じた。
  • 講師の資料が分かりやすかった。
  • ひとりでは文献を批判的に読む力はないが、この講座のようにグループで意見交換しながら読むと、批判的に読む視点に気づくことができた。
  • 4人でひとグループだったため、自分の意見を言いやすかった。
  • 文献は壁があったが面白くなってきた。
  • 苦手意識があったが、この講座に参加し楽しいと思えた。
  • テーマが【学び直す】だったので、できていなくても参加しやすかった。
  • 職場のインターネット環境が悪く、日ごろの疑問を調べようとしても調べられない。

センターより

受講者はとても高い満足を得ました。日頃の疑問を文字にし、その疑問はどのようにしたら文献で調べられるのか、どのように読めばいいのか、少人数講座で講師と意見交換しながら丁寧に進めたことが満足につながったと思います。学生時代の卒業研究、病棟の看護研究、受講者はそれぞれ経験をしていました。しかし、日々の仕事の中で文献を活用する習慣はあまりありません。そのうちに検索の仕方も読み方もあいまいになっていました。この講座は学び直しとしておおいに活用していただけたと感じています。

今は、臨床で調べる時間を効率的にもつ習慣がなかったり、インターネット環境が整っていない現状があります。しかし、「地道に積み重ねていくことが大切」と受講者たちから意見が出ました。看護のプロとしてエビデンスを探索する態度の大切さを受講者のみなさんが発信できそうです。

この講座が、文献を実践にいかす風土への足掛かりになることを期待するとともに、キャリア支援センターとして何をすべきかを改めて考えさせられた講座でした。

(KAN)