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感染制御学

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会長挨拶

 
会長 小林 寅喆
(東邦大学看護学部 感染制御学 教授)

会長 小林 寅喆

 この度、第30回日本バイオフィルム学会(旧Bacterial Adherence & Biofilm)学術集会長を仰せつかりました。
歴史ある本学会の第30回記念すべき学術集会を担当させていただきますこと、極めて光栄であるとともに重責を感じております。

 本学会は一昨年より研究会から学会へと改め、前回学術集会より学会として新たな門出を迎え順調に滑り出しました。30年という歳月は多くの先生方のご尽力により支えてこられた証と考え深いものがあります。先人たちが築いてこられた伝統を継承しつつ未来に向けて着実に繋いでいかなければならないと心が引き締まる思いです。
 本学会はその名称でありますようにバイオフィルムを主体とする研究の領域であり、そこには微生物接着、増殖さらには環境との共存と抵抗と、まさに微生物の生態が大きく関連しているものと考えられます。近年、バイオフィルムに関する研究は、科学技術の進歩とともにめまぐるしい発展がみられ、その正体が解き明かされようとしています。 他方、過去に我々人類は優れた抗菌薬の開発により感染症を制圧できるかとも信じていました。しかしながらその確信は叶わず、革新的な科学技術も微生物の進化スピードには追いつくことすらできず、近年の耐性菌問題は歴史が過去に戻ろうともしているとも感じる次第です。この背景には微生物との共存は長い年月の自然環境であり、人類の一方的な都合には適応しないとも考えられます。すなわち、ある意味での人類による環境破壊の一面であるとも捉えられます。これらのことから今回担当させていただく本学術集会のテーマを「環境に適応する微生物からのメッセージ」とし、環境および微生物の側からも考える場としたいと思っています。
 バイオフィルムに関する領域は医歯薬学に限らず、その他自然科学分野全体で関心を高め研究し発展させていく必要があると考えます。第30回日本バイオフィルム学会学術集会では、是非とも幅広い分野の研究者の方々に参加していただき、ひとつの節目として今後の更なる発展につながる会にしたいと思いますので、皆様のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。