トップページ > 大学院関連 > 看護フィジカルアセスメント論

スタッフブログ

大学院 がん看護分野「スタッフブログ」最新記事をお送りいたします。

2024年03月14日 更新

お問い合わせ・連絡先

東邦大学
看護学部 がん看護学研究室

〒143-0015
東京都大田区大森西4-16-20
TEL:03-3762-9881
【教員アドレス】
村上好恵
ymura[アット]med.toho-u.ac.jp
※[ ]を@に変換して送信下さい。

看護フィジカルアセスメント論

第14回目(最終回)

お題は「各自が演習シナリオを作成し、受講生に対して演習を行う」であった。
各院生が、脳神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系のフィジカルアセスメントについて、他の院生に対してシミュレーションモデルを活用した演習を行った。
いよいよ最終回です。
前日は朝から雪が降り始め、午後には道路一面真っ白になるほどの大雪でした。そのような悪天候にもかかわらず、IMIの湊さんと江原さんがシミュレーションモデルを搬入してくださり、院生の事前練習には講師の山田さんも立ち会ってくださいました。
本当にありがとうございました。このような方々のご協力があったからこそ、この最終回を行うことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、最終回は、自分がシミュレーション演習を30分担当する、という設定で実施しました。座学の一方的な講義ではなく、シミュレーションモデルを活用しての演習を組み立てるのは、教員であってもかなり時間をかけて計画しますので、院生にとっては大変な課題であったかもしれません。
しかし、実際にはすばらしい演習でした。
細かいことを言い始めたらきりがありませんし、誰だって初回はありますので、今後バージョンアップしていけばよいと思っています。
各自、工夫をこらしたシナリオになっていて多様性があり興味深かったです。また、これまでこの科目で学んできたことをいかしたり、演習の受講生(院生同士で役割としました)に対するなげかけや問いかけの工夫など同じものがなく、院生の個性が出ており、楽しく参加することができました。
終了後には、院生より「大変だった」という意見が多く、私自身の反省と課題であると受け止めました。しかしながら、大学院で学問を修めるということはどういうことなのか、今一度考えていただく機会になったのではないかと思っています。
院生の皆様お疲れ様でした。
講師をお引き受けくださった渕本さん、山田さん、四本さん、宮本さん、久保さん、竹田さん、橋本さん、吉原先生、本当にありがとうございます。自分の準備のためと言われていましたが、皆さん、ご自分の担当回以外にもボランティアで参加してコメントしてくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
湊さん、江原さんお世話になりました。(ジーコもありがとう)
多くの方々にご協力いただき無事に終えることができました。ありがとうございました。



第13回目

お題は「事例に対してフィジカルアセスメントを展開する」であった。
前回までの学びの集大成として、事例に対してフィジカルアセスメントを展開することに加えて、実習に来られていた認定看護師コースの方々とのディスカッションを行った。
やはり、院生の皆さんは、臨床実践としてはエキスパートなので、事例に対するアセスメントの視点は深く、幅広く、臨床場面に適していました。さすがですね。
しかし、一方で、認定看護師コースの実習生の困っていることについて「相談にのる」という状況設定模擬場面においては、ついつい「説明すること」に主眼がおかれ、対象者の困っていることを「聴く」ということがおろそかになるのですね。
研究者としても、CNSとしても、大学院を修了した後は指導者としても期待される立場になります。その際は、ぜひ「聴く」ことを大事にしてください。自分がわかっていることは、ついつい説明したくなりますが、それは、「説得する」という行動になりがちです。
皆さんと同じように、新たな知識を得たとしても、それをどのように活用するのかを意思決定するのは「自分自身」であり、他者が決定することではありません。どうぞ、学習者の意思を尊重し、促進できるようなはたらきかけ方とはどういうものかを考えていってください。同時に、これは、私たち講師陣も常に念頭におかなければならないことですね。
次回(最終回)もがんばりましょうね。期待しています。
午前
午後

第12回目

お題は「脳神経系のフィジカルアセスメントの総まとめ」と「循環器系のフィジカルアセスメントの総まとめ」の2本立てである。
前回までは、「Advanced Physical Assessment」の域に到達できず、5合目付近をうろうろしていたので、本当に今回はゴールを目指してほしいーという大きな期待があった。
さすがは、東邦大学大学院看護学研究科の院生ですね。これまでの努力が、むくむくと芽を出し始めてきました。
少しずつですが、「系統的」思考とは何ぞや、と理解できてきているようです。頼もしいですね。今日のディスカッションは充実していましたね。聞いていてもわくわくしました。
今回の担当講師の渕本さんや宮本さんからも、「有意義なディスカッションになっていたので、今後は、これをどのように活用していくのかという次のステップに行きましょう」とコメントをいただきました。
今回も、担当でないにもかかわらず四本さんが参加してくださり、院生の学びを共有してくださいました。感謝の気持ちでいっぱいです。その四本さんも先週からの院生の成長振りに感嘆されていました。みなさんのご指導のおかげですね。久保さんに見ていただけなかったのが残念です。
次回、次々回(最終回)に向けて、がんばりましょうね。期待しています。

第11回目

お題は「呼吸器系のフィジカルアセスメントの総まとめ」と「消化器系のフィジカルアセスメントの総まとめ」の2本立てである。
前回までは、なかなか「Advanced Physical Assessment」の域に到達できず、5合目付近をうろうろしていたので、最終ゴールのテープをきることを目標にのぞんでいただいた。
院生が努力し頑張っているのはよくわかる。
だがしかし、である。
やはり「系統的」な思考で物事を整理していく、というのが相当に難しいようである。
前にも書いたが、やはり長年の臨床経験により「自分の得意な思考過程」が身についている。これは、当然必要な能力であり、これがなければ臨床実践では役に立たない、お荷物様になってしまう。しかし、今は、大学院で学んでいるので、「今までどおり」ではなく「今までと違う考え方とは」「こんな見方も、考え方もあるのだ」という新たな知見を身につけていくことが求められる。
今回の担当講師の久保さんや四本さんいわく、「修了後に実践にもどったときに、大学院での学びが統合されていった。院生にとって、今は踏ん張りどころではないだろうか。」と。
さすが、先輩たちの言葉には重みがある。そうですね、「芽」がでるように、今は一生懸命に耕し、水や栄養分や太陽を与えている時間なので、地道な行動が必要ですね。
一番焦っていたのは私なのかもしれない。このままでいいのか、と。
しかし、あせっても仕方ない。「変化」は他者からの力ではなく、本人の中からしか生まれてこないので、待ちます。ただし、愛のムチとともに。

第10回目

お題は「検査データからの臨床判断」である。
今回は、東邦大学医療センター大森病院の救命救急センターのご協力により、現場での演習となりました。吉原医師が、症例における検査データの見方や考え方について丁寧に指導してくださった。

院生は、ここまで学んだり、検討してきたこととの融合をはかれたかしら?
次回以降に、その成果が見えてくるとよいな、と期待しています。

第9回目

お題は「高齢者のフィジカルアセスメント」である。
前回までの学びを活かしてくれるのではないかと、期待しながらの今回。前半のディスカッションや気づきはとても深く、今日はこのまま進展していくのではないか、とわくわくしました。
が、しかし、です。
途中から翼を失った飛行機のように迷走し始め、着地点の共通理解にいたらず、という状況でした。
担当講師の橋本さんからのコメントは、「ディスカッションを聞いていて残念でした。そのような考え方をしている医療者には看てほしくないと思われますよ。」と。
高齢者の特徴について、「○○ができない」「○○が低下している」「○○が不足している」・・・・ということばかり。たしかに、年齢を重ねることで、衰えていく機能もあるかもしれないが、「人間」はそれだけではないはず。人生、齢を重ねるからこその「利」もあるはずなのに、なぜか「弱者」という捉え方で考えてしまう院生。
橋本さんに指摘されて、院生は「はっ!」と気づく。橋本さんは、老人看護CNSなので、高齢者の方々をそのように捉えてしまうことに苦言を呈されました。
その通りですね。もしかすると、「弱者」をつくりあげているのは、医療者かもしれません。せっかくの機会ですので、自分たち医療者がかかわりをもつ方々について、じっくりと考え直してみてもよいのではないでしょうかね。
それでも、今回のディスカッションは前回より進展していたことは間違いありません。次回以降も期待しています。

第8回目

お題は「小児のフィジカルアセスメント」である。
消化器系に引き続いてのゼミであったため、皆、疲労困憊の様子。
小児のフィジカルアセスメントを考える際には、今までの成人を中心に考えてきた基本的な系統別アセスメントとは視点が異なってくるので、これまた一仕事である。
だからといって、まったく別の生物のひもときをおこなっているわけではないので、「成長・発達」という概念も大事だが、「連続」という視点も大事(これは、講師の竹田さんのコメントから抜粋)。
講師の竹田さんは、小児看護CNSなので、さすがです。成人をいつも対象にしている視点とは違い、新たなベクトルも見出すことも必要。でも、自分がどこに寄ってたち考えるのか、という視点が定まっていたら、そこといかに違うのか、どう同じなのかを考えていくので、とても楽しい。
院生にも、「楽しい!」って思ってもらいたいなー。

第7回目

お題は「消化器系のフィジカルアセスメント」である。
前回は、「さすがは東邦大学大学院生!」と思ったのですが・・・。なかなか、身につくというのは難しいものですね。
どうしても、系統的に考えることの「入り口」で足踏み状態になっている。そこは、導入であり、前提なので、その後に進んでいかなければならないのだが、なかなか迷宮から抜け出せない状況である。
どうしてよいものか、講師陣も思考錯誤。講師の久保さんが、導くようにコメントを投げかけてくれたおかげで、少し前進したものの、目標達成にはいたっておらず。
急遽、今後の方針を修正し、院生の理解を促進し、学習目標に到達するように検討することとなった。
なかなか、どうして難しいですね。大学院での学びは、カルチャースクールではないので、お手本があってその通りに実施するものではない。自分の考えをもとにして作り上げていきながら、ディスカッションを行って息、また修正していく過程が延々と続く。
早くトンネルを抜けることを願っていますし、待っています。

第6回目

お題は「循環器系のフィジカルアセスメント」である。
前回までは、系統的に物事を考えるというのはどういうことなのか、が課題であった。しかし、今回は違う。さすがは東邦大学大学院生!すばらしく成長していました。
担当の宮本さんからも納得のいくすばらしい内容だったとコメントをいただけました。
今回担当の佐藤さん自身が、循環器系の臨床経験が長く、でも長いだけではなく密度の濃い経験を積んでこられたのでしょう、本物のエキスパートナースです。そして、今回は、「循環」の概念を丁寧にひもとく思考が院生皆さんに備わり始めており、ディスカッションを聞いていて、本当に有意義な時間で、このままずっと終わらないでくれーと思いました(院生はそうは思ってないでしょう、開放してくれーですよね、笑)。
ようやく、日ごろの臨床実践で症状やサインを観察して対応している思考過程と、大学院で物事を追求していく思考過程の違いを体感し始めているのではないかと思います。ぜひこれを、「体感」で終わらせずに、「習得」して「使える」ようになってほしいと思います。
大学院は「教わる」場ではなく、院生も教員も同じ土俵でディスカッションし互いに刺激し合って成長する場であり、「師」を越えるようでなければ科学、看護の発展はありえません。期待しています。次回のハードルがかなりあがっていることは確かですね。担当院生、よろしく。

第5回目

お題は「呼吸器系のフィジカルアセスメント」である。なかなか、系統的に物事を考えるというのはどういうことなのか、が難しい。今回も講師の四本さんに指摘される。
ついつい、日々の実践で活用している思考過程である「問題解決思考」になってしまうため、「問題ありき」の視点から脱却できない。また、ひとつひとつ目の前に提示されたことに対して、これって何だろう、と追求するよりも、他者が言っていることを「そうかそうか」と賛辞をこめて賛成してしまう。プレゼンターに敬意を払うのは当然だが、クリティカル・シンキングになっていない。
裏を返すと、臨床実践能力は高いということ。でも、勤務経験の長いエキスパートナースと、大学院の修士課程に在籍し学んでいる自分たちと何が違うのか。やはり、「Advance」とは何か、「Advance」として何を求められているのか、である。

第4回目

お題は「脳神経系のフィジカルアセスメント」である。
本日のプレゼンを通して気づいたことは、ついつい方法論を主眼においてしまうことである。「Advance」なフィジカルアセスメントとはどういうことなのか、そこを丁寧に考えることであると、今回気づいたようである。
渕本さんの指摘により院生は「はっ」と気づいたと思う。そう、それでよいのです。出来ているから大学院に来ているのではなく、今までとは違う思考方法を習得するためにきているのですから、毎回違う気づきがあってあたりまえ。
担当講師によって指摘もまた異なるでしょう。様々な視点に触れることで、自分自身の中で変化が起きるはずです。

第3回目

お題は「皮膚および眼・耳・鼻・口腔の診察法」のため、普段は使用することのない検眼鏡、耳鏡、鼻鏡を使用してみる。なかなか難しいものだ。みな四苦八苦。
そして何よりもすばらしいのは、履修生の専攻領域が多種多様であるため、様々な経験事例をもとにしてプレゼン資料を作成してくれるため、「Advance」な感じがある。でも、まだ「感じ」。ちなみに領域は、成人看護、がん看護、感染看護、国際看護である。


第2回目

お題は「フィジカルアセスメントの基本的技法、病歴聴取と身体診察の基本」であるが、教科書をうつしたり、学部で行っているようなノウハウのレポートは不要と告げると、どうしたものかと悩む面々。今回もまた、「Advance」を根幹にすえディスカッションを行っていく。時間はあっという間に過ぎていく。さすがは院生。ディスカッションはexpandingであった。

第1回目

履修生7名と本科目を一緒に作り上げてくださった渕本さんと初回の科目ガイダンスを行った。院生の履修目的を確認すると、この機会にフィジカルアセスメントを復習したいというものが多かった。しかし、この科目は、学部の講義ではなく、大学院の共通科目として位置づけられており、Advanced Nursing Physical Assessmentである。「Advance」とは何を求められているのか、を問いかけると、さすがは院生!すかさず、自分たちの到達すべき課題は何なのかについて思考を修正し始める。そしてみなでディスカッションを始める。こういうのが大学院には必要なこと。自分たちで作り上げてほしい。