竹田祐輝 「クツワムシの高温耐性と都市部への進出」
昆虫を含む節足動物は変温動物であり、本研究で扱うクツワムシも例外ではない。クツワムシのオスは、夏の中旬から秋までの夜間、翅をこすり合わせて鳴き続ける事により、メスを誘い出し交尾をする。そしてその間、鳴き続ける事による運動によりオスの体温は上昇し、体温が32度付近になると鳴く事をやめてしまう。また都市部付近では、ヒートアイランド現象により夜間でも気温が下がらず、林内に比べて高温の夜が続くため、クツワムシが都市へと進出する事はできずにいた。ところが近年、都市近郊におけるクツワムシの生息が確認されるようになった。本研究では、この都市型のクツワムシと、森林に生息するクツワムシの違いを実験を通して比較し、なぜクツワムシが都市へと進出してくることができたのかを考える。
調査地:千葉県白井市、千葉県船橋市市民の森周辺、千葉県君津市福野小学校周辺
竹田祐輝
略歴
- 岩手県立盛岡第三高等学校卒業
2007年度
- 栗山武夫 「オカダトカゲの色彩パターンの進化」
- 武田広子 「コウノトリの採食行動」
- 鈴木俊貴 「鳥類における音声コミュニケーションと認知的発達」
- 五味真人 「トンボ類幼虫の高温耐性」
- 仲條竜太 「同地域に生息する5種のハシリグモの生活史」
- 深澤 悟 「伊豆諸島の筒営巣性ハチ類の群集構造」
- 水澤玲子 「伊豆諸島に自生するクサギ属2種の訪花昆虫と花形態の関係」
- 高橋洋生 「トカゲ類の採餌行動・対捕食者行動、生物間相互作用」
- 庭野 裕 「千葉県丘陵地域におけるニホンアカガエルとヤマアカガエルの生活史」
- 藤田 薫 「伊豆諸島とその周辺本土におけるヤマガラの集団構造」
- 一條さくら 「徳島県伊島における巨大化したニホンヒキガエルの生態」
- 清水 謙 「無尾両生類における跳躍力の温度依存性」
- 住谷実紗子 「有尾両生類の遊泳速度の温度依存性と温度選好性」
- 竹田祐輝 「クツワムシの高温耐性と都市部への進出」
- 高城 満 「オカダトカゲの捕食回避に関する学習」
- 中西亜耶 「キシノウエトタテグモの仔グモの移動分散距離の測定」
- 吉村理貴 「哺乳類におけるヤマアカガエル捕食者の特定」
- 工藤芳文 「里山の人間活動による生物多様性の維持」