伊藤美信「二種のシデムシの種間競争と共存」
脊椎動物の死体は、パッチ状でその出現は時間・空間的に予測することが出来ない。そういった資源を利用する種間ではしばしば激しい競争の証拠を見ることができる。これまでの研究から同所に生息するオオヒラタシデムシとクロシデムシの間には、個体群レベルで死体の発見能力と占有能力の間にトレードオフのような関係があることが明らかとなった。また、死体を最初に発見するオオヒラタシデムシはクロシデムシを誘引することが示唆された。本研究では、死体サイズやオオヒラタシデムシによるクロシデムシの誘引が2種のシデムシの共存にどのような影響を与えているかを明らかにする。