トップページ > 研究紹介 > 2015年度 > 鈴木  翔「オカダトカゲにおける視覚的捕食者認知機構の実験的検証」
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鈴木  翔

オカダトカゲにおける視覚的捕食者認知機構の実験的検証

 伊豆諸島の新島と神津島には,オカダトカゲ(Plestiodon latiscutatus)とその主要な捕食者であるシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)が高密度で同所的に生息している.新島のシマヘビには3パタンの色彩多型がみられ,一方で神津島のシマヘビは単型色で,両島間で捕食者の表現型に違いが見られる.また,新島と神津島ではシマヘビが生息しているのに対し,八丈小島ではシマヘビが生息していない.

 被食者にとって捕食者は脅威であるため,被食者は様々な情報から捕食を回避するための行動をとる.私は,オカダトカゲがシマヘビを視覚的にどう捕食者であると認知しているのかということに注目し,被食者であるオカダトカゲの捕食者に対する視覚情報を用いた捕食者認知機構の島嶼間での違いを,シマヘビモデル(Snake clay replica)を用いた野外実験により検証している.また,新島・神津島と八丈小島のオカダトカゲの捕食者認知機構を明らかにすることで,視覚的な捕食者認知機構が,先天的か?後天的か?についての根本的な疑問に対する解答を与えようとしている.さらに,本分野におけるプロジェクトの最終目標である,シマヘビとオカダトカゲの島嶼個体群間の適応的分化・個体群動態の解明に繋げるための応用的研究も本研究と併せて行っている.