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東邦大学理学部
生物分子科学科
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研究紹介

 

環境因子による免疫応答制御の分子機構を探る

病気によってからだの中で炎症が起きると、患部では栄養不足や低酸素状態が起こります。免疫に関わる細胞はこのような環境変化をセンサー分子を介して感知し、免疫応答を変化させる仕組みを持っています。我々は、栄養状態を感知するセンサー分子がどのような免疫応答をどのような分子機構で制御しているかを、実験動物や培養細胞を用いて調べています。

栄養状態を感知するセンサー分子:mTOR

栄養状態を感知するセンサー分子として、mTOR(mammalian target of rapamycin)という細胞内に存在するリン酸化酵素があります。mTORは色々なタンパク質と結合して大きな複合体を形成して機能していますが、Raptorというアダプター分子を持つ複合体をmTORC1(mTOR complex 1)と呼び、Rictorというアダプター分子を持つ複合体をmTORC2(mTOR complex 2)と呼びます。ほ乳類のからだを構成する細胞のほとんどはmTORC1とmTORC2の両方を持っていますが、私たちはmTORC1に注目して様々な細胞における機能を調べています。

mTORC1は免疫細胞の働きをコントロールする

これまでの研究から、mTORC1は樹状細胞の炎症抑制物質の産生を促進する働きをもち、mTORC1が働かない樹状細胞を持つマウスでは腸炎の発症が悪化することが分かりました。また、mTORC1が働かないB細胞を持つマウスでは、B細胞の成長が未熟で、体中のB細胞の数と血液中の抗体の量が激減していました。すなわち、mTORC1はB細胞の分化・成長のコントロールに関わっていることが分かりました。現在は、病原体や化学物質から体を守る最前線である皮膚の角化細胞におけるmTORC1の機能について研究を行っています。