トップページ > 研究紹介
研究室ブログ
研究室ゼミ
TREEセミナー
学部生専用
研究室メンバー専用

お問い合わせ・連絡先

東邦大学理学部
生命圏環境科学科
湖沼生態学研究室

〒274-8510
千葉県船橋市三山2-2-1
習志野学事部入試広報課
TEL 047-472-0666

E-mail: mycoloop(アット)gmail.com

研究紹介

 

研究内容

  • 淡水生物の個体群・群集動態の解明
    • 動物/植物プランクトンの群集動態
    • ツボカビを介した物質流、生物間相互作用の解明(植物プランクトンーツボカビーミジンコ、花粉ーツボカビーミジンコなど)
    • 水草オニビシが水質、動物群集(昆虫、鳥類、魚類など)に与える影響の解明
    • 安定同位体を用いた食物網構造の解明
  • 湖沼生態系の長期変遷パタンの解明
    • 千葉県データを用いた印旛沼生態系の変遷解析
    • 植物プランクトン優占種の長期変動パタンの解析

印旛沼生態系の保全

印旛沼は千葉県最大の湖沼です。現在、日本で最も富栄養な湖の一つとして、水質改善が課題になっています。当研究室では、プランクトンや水草の生態、機能を明らかにすることで、印旛沼生態系の構造への基本的理解を深める事を目指しています。

プランクトンの生態解明:ツボカビの宝庫(宝湖!?)

印旛沼には、植物プランクトンに寄生するツボカビが多様に存在することがわかってきました。ツボカビはプランクトンから両生類まで幅広い生物に寄生する真菌類です。ツボカビ探求は、琵琶湖、Maarsseveen湖を経て、印旛沼に。2008年4月、調査開始から早速ツボカビを発見できました。印旛沼で主要な珪藻Aulacoseira granulataやA. ambiguaに寄生しています。他の湖沼と異なる特徴は、寄生率が10%未満と非常に低い事。しかし、同じ珪藻にも数種類のツボカビが寄生しています。また他の藻類にも多数ツボカビが寄生しています。富栄養な印旛沼では、藻類はツボカビに殺される以上に成長しているため、寄生率が低いのかもしれません。また、ツボカビにとっては印旛沼は藻類が大量に存在するパラダイスなのかもしれません。ツボカビとよくにた鞭毛虫と区別するには、蛍光色素Carcofluor whiteが強力な武器になります。

(左)ツボカビが珪藻Aulacoseiraに寄生している様子 (右)Calcofluor white染色後
(左)ツボカビが珪藻Aulacoseiraに寄生している様子 (右)Calcofluor white染色後

オニビシの天下

印旛沼をはじめ、日本の多くの湖沼において、アオコにかわりヒシ、オニビシが増加する現象が見られています。ヒシは水面に葉を広げるため、大量に繁茂すると水中の光量や酸素量を減少させ、他の生物にマイナスの影響を与える可能性があります。一方、ヒシは昆虫や魚、鳥など多くの動物に利用されている可能性もあります。当研究室では、印旛沼と諏訪湖を舞台に、オニビシが水質(酸素や栄養塩濃度)、生物(プランクトン、昆虫、魚、鳥)に与える影響を明らかにすることに取り組んでいます。
オニビシの上に立ち、小魚を捕食するチュウサギ (川津正之 撮影)
オニビシの上に立ち、小魚を捕食するチュウサギ (川津正之 撮影)
オニビシを食べ、オニビシ上で生息するジュンサイハムシ。かなりの葉が食べられている。
オニビシを食べ、オニビシ上で生息するジュンサイハムシ。かなりの葉が食べられている。(川津正之 撮影)

ミジンコはツボカビがお好き!?

ツボカビが遊走子として水中を泳いでいます。実は、その遊走子にはコレステロールがたっぷり含まれ、ミジンコのよい餌である事が明らかになりました。ミジンコは大きな珪藻は食べられないが、珪藻に寄生したのち放出されたツボカビの遊走子は食べる事ができます。ツボカビがいることでミジンコはより成長できるのです(Mycoloop1)。
大型珪藻ーツボカビーミジンコ
大型珪藻ーツボカビーミジンコ
ツボカビには分解性の種類もいます。花粉はツボカビにとっては最高の餌。湖に入ってきた花粉をツボカビが分解し、ミジンコが食べる、という第2のMycoloopが解明されました!
花粉(ヒマラヤスギ)を分解するツボカビ

プランクトン食物網

ミジンコがツボカビを食べる事が、プランクトン食物網でどう大事なのか。大型の植物プランクトンは動物プランクトンに食べられにくく、湖に沈んでいきます。しかし、大型植物プランクトンがツボカビに寄生された場合、湖に沈む前にツボカビに細胞質が吸い取られ、そのツボカビが動物プランクトンに食べられるため、大型植物プランクトンは食物網に組み込まれるのです。この新しい物質経路を菌類学(Mycology)と自分の名前(Maiko)とかけて、Mycoloopと名付けました。
プランクトン食物網 (by Kagami)
プランクトン食物網 (by Kagami)
富栄養化が進行し、湖沼ではアオコ現象や淡水赤潮のように、大型の植物プランクトンが大発生する現象がしばしば見られます。大型植物プランクトンが大発生すると、動物プランクトンや魚は餌不足となり(時として酸素不足にもなり)、湖底への沈降量が増加するため底層の嫌気化が進むと懸念されています。しかし、Mycoloopが存在するならば、大型の植物プランクトンは迷惑ものではなく、食物網を支える重要な存在になり得るかもしれません。

ミジンコ占い

プランクトンを題材とした環境教育の教材作りも行っています。「生物多様性」の理解のための教材として、「ミジンコ占い」を作りました(2012年度鈴木萌里卒業論文)。あなたは何ミジンコ?
質問に答えて、あなたのミジンコタイプを見つけてください。
さぁ、なにミジンコでしたか?