縦走路の傍らで登山者の安全を見守って
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高山でおこる頭痛

頭痛はいろいろな状況でおこる、非常にありふれた症状。

頭痛を起こす病気の中には生命に危険をおよぼすものも含んでいるので注意を要する(クモ膜下出血や脳腫瘍など)。
登山中に頭痛を感じても、頭部CTやMRIといった普通に使用される医療機器はないので症状から判断する必要がある。

危険な頭痛

●クモ膜下出血の頭痛の特徴:いきなりハンマーで頭部を強打されたような、今までに経験したこともないような激痛。運動中に起こりやすい。
●脳腫瘍の頭痛の特徴:起床時に感じる重い痛み。嘔吐を伴うことが多い。

生命にあまり危険のない頭痛

●片頭痛:何回も経験していることが多い。頭部の一部が拍動性にズキンズキンと痛む。数時間持続して徐々に軽くなる。目がチカチカするような前兆があることがある。嘔吐をともなうことが多い。
●緊張型頭痛:一日の後半に起こることが多い。肩、後頚部から後頭部にかけて重く痛む。頭の前の方がずきずき痛むこともある。精神的ストレスなどが関係。

登山に特徴的な頭痛

このような頭痛以外に、酸素の少ない環境で激しい運動をする登山活動中には、特徴的な頭痛がおこる。

●労作性頭痛:激しい運動にともなって起こる拍動性の頭痛(片頭痛の一種?)
●寒冷刺激による頭痛:頭部全体の頭痛.拍動性ではない.
●高所性頭痛
    診断基準
  • 海抜2500m以上に登山したとき(2500m以下でもおこることは稀ではない)
  • その高度に達してから24時間以内に生じる
  • その高度から下山すると8時間以内に消失する
  • 以下の少なくとも2項目を満たす
      □両側性の頭痛
      □前頭部または前側頭部の痛み
      □鈍い痛みか圧迫感のある痛み
      □軽度から中等度  の頭痛
      □運動負荷、いきみ 、咳、体を屈めるなどの動作で強くなる
    対策
    一般的な頭痛薬が有効であることが多いが、急性高山病(高山性頭痛があって、その上に、悪心、食欲不振、睡眠障害、疲労、めまい感のうち1つでもみられる場合)の症状であることもあり、その場合はそれ以上の高度への登高はしてはならない。その高度に留まって少し動くと軽快することがある。

    予防
    充分に休養を取っておく。飲酒は避ける。登高の2日前から高度馴化を図る。十分な水分接種を心がける。
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