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グラフト選択

基本として、グラフトは両側内胸動脈(ITA)あるいは右胃大網動脈(RGEA)を用いて、より多くの領域を動脈グラフトにて血行再建を施行しています。動脈グラフトは超音波メスを使用してskeltonize法(周囲の脂肪織を残さないでグラフトを採取する方法)にて採取します。この方法の利点はグラフトの性状を直接観察でき、グラフトが使用可能かどうかの判断がつき易くとても有用です。また、より長く採取可能であるため、sequential吻合(一本のグラフトで数箇所の吻合をすること)やcomposite graft(二本のグラフトを繋ぎ合わせること)の作製も容易です。

左内胸動脈(LITA)使用したsequential吻合

(一本のグラフトで数箇所の吻合をすること)
左内胸動脈(LITA)使用したsequential吻合の図

上行大動脈に動脈硬化性変化が強い場合は、脳硬塞の発生を最小限度に抑えるために、大伏在静脈(SVG)の中枢側吻合の際には、中枢側吻合用デバイスを使用しています。
中枢側吻合用デバイスを使用して上行大動脈に吻合された大伏在静脈の図

末梢側吻合

心臓の脱転はハートポジショナーを用いて行っています。
末梢側吻合の図

また、吻合予定部に冠動脈の石灰化びまん性狭窄があり、そのまま吻合できない場合には内膜切除を行い、冠動脈切開を長く施行してonlay patch吻合(通常の冠動脈バイパスの吻合口は6mm前後ですが、onlay patch吻合は約50mmの吻合口で狭窄した冠動脈に長い天井を作るようにバイパスをします)を行い、より完全な血行再建を目指しています。

LITA(左内胸動脈)- LAD(左前下行枝) onlay patch吻合(約50mm)

LITA- LAD onlay patch吻合(約50mm)の図

また、吻合予定部にカテーテル治療で挿入されたステントがあり、そのまま吻合できない場合にも内膜切除を行い、冠動脈切開を長く施行してonlay patch吻合を行い、より完全な血行再建を目指しています。

ステントを除去した後のLITA(左内胸動脈)- LAD(左前下行枝) onlay patch吻合

ステントを除去した後のLITA- LAD onlay patch吻合の図