栄養部の活動報告ブログ 栄養ニュース

豆腐

ブログ担当の冨岡です。
街路樹も葉を落とし、すっかり冬景色に変わりましたが皆様はお元気でお過ごしでしょうか。先日、私は京都へ行ってきました。京都は寺社・仏閣など見どころが多い観光地だけでなく、様々な名物グルメがあります。中でも南禅寺周辺の精進料理が起源と言われている湯豆腐は、観光の際に味わいたい一品です。そこで今回は、京料理には欠かすことのできない食材「豆腐」についてお話します。
【京都の豆腐が美味しいと言われている理由】
豆腐の約90%が水分で出来ている為、水が風味の決め手となる重要な要素となります。
京都盆地の地下には多くの地下水が貯留されており、その性質は軟水でミネラルが少なく料理に使っても雑味が出ないのが特徴です。この地下水で作られた京都の豆腐はやわらかく、とても美味しく仕上がります。
木綿豆腐と絹豆腐の違い】
木綿豆腐は豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものをくずし、再度、重しをのせて水分を抜きながら固めます。そのため、しっかりした食感で少しざらっとした舌ざわりがあります。一方、絹豆腐は木綿豆腐よりも濃い豆乳を型箱に入れ凝固剤でそのまま固めるため、なめらかな食感が特徴となります。栄養成分の比較では、木綿豆腐は製造工程で成分が凝縮されるため同じ重量あたりの栄養素は、木綿豆腐の方が少し高めとなります。 

※栄養成分の比較(凝固剤:塩化マグネシウム)
  エネルギー     たんぱく質        脂質     炭水化物     カルシウム    
木綿豆腐    73kcal  7.0g  4.9g 1.5g  40mg
絹ごし豆腐     56kcal   5.3g  3.5g 2.0g  30mg
日本食品標準成分表2020年版(八訂)による100gあたりの栄養成分
【凝固剤による違い】
食品衛生法で指定されている豆腐の凝固剤には、いくつか種類がありそれぞれの特質によって食感や風味など、出来上がりが違います。そこで今回は、古くから用いられている「にがり」と「すまし粉」についてその違いを解説します。

*にがり(塩化マグネシウム)
一般的に豆腐の凝固剤というと「にがり」を思い浮かべる方が多いと思いますが、にがりは水に溶けやすく凝固反応が早い為、凝固に技術が必要となります。また、保水力がないので歩留まり(出来る量)が低くなります。しかし、大豆の旨みと甘味がしっかりと感じられる豆腐ができます。
*すまし粉(硫酸カルシウム)
京都では、すまし粉を使った豆腐づくりをする店が数多くあります。
すまし粉は、水に溶けにくく凝固反応が遅い為、豆腐が作りやすいという特徴があります。また、保水力が高いので舌ざわりのよい滑らかで弾力がある豆腐ができます。

豆腐の主原料である大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質が豊富に含まれています。日頃から肉、魚、卵などの動物性たんぱく質に偏らず豆腐をはじめとする植物性たんぱく質もバランスよく食事に取り入れましょう。
次回の栄養ブログも乞うご期待!

投稿日:2022年12月01日00時00分| 投稿者: 冨岡勤| カテゴリ: 未設定


前の記事次の記事