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病院の献立

ブログ担当の冨岡です。
新型コロナウイルス感染拡大で全国に発令されていた緊急事態宣言が
ようやく解除され街には少しずつ人が増えはじめています。今後、第二波が訪れない事を強く願うばかりです。さて先日、患者さんから「病院の食事は薄味で魚ばかり出てくる」と言われました。
そこで今回は、病院の献立がどのようにして作られているのか紹介します。
【病院食の特徴】
病院の食事は年齢、疾病の種類、病状、治療の目的に応じて「一般食」と「特別治療食」に分けられています。

1.一般食とは
特別な制限はありませんが、年齢や性別、身体状況(体重、BMI、活動量)に応じた栄養バランスの良い食事となります。こちらは「日本人の食事摂取基準」を考慮し食事の基準を決めています。
*日本人の食事摂取基準とは
厚生労働省が健康な個人及び集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すもので5年ごとに改定されます。

2.特別治療食とは

医師の指示による病態に応じた食事で、エネルギーやたんぱく質、脂質、塩分などが調整され治癒促進に直接影響を与える食事となります。こちらは食事摂取基準における基本的な考え方を理解した上で、各種疾患の治療ガイドラインに準じて給与栄養目標量を設定しています。
【献立作成の大きな流れ】
当院の給与栄養目標量を決定
   ↓
食品群別荷重平均成分値を求め食品構成表を作成
   ↓
献立表の作成
*献立作成の基本は食品構成表にあります。
各食品群別ごとの使用目安量が示されているため、この値を参考に献立の食材や使用量を計画。 この食品構成表に沿った献立を実施すれば、食品のバランスや給与栄養量も適正なものとなります。

 【献立作成時のチェックポイント】
1.同じ食材を 1 日(食)の中で使用していないか。
2.同じ料理または調理方法は間隔をあけて作成されているか
3.旬の食材を取り入れたメニューになっているか
4.食材の特性を生かした調理方法になっているか
5.彩りを考慮しているか。
以上栄養基準を合わせるだけでなく、バラエティ豊かなメニューが提供できるように考えています。
入院中のお食事は疾病の治療・回復を目的として提供していますが、食事を美味しく召し上がっていただく為に当院では患者さんからのご意見、食事アンケート調査結果や残食調査結果から随時献立の見直しを行っております。
今後も栄養部では入院中の食事が見本となるような食事提供を行っていきます。
次回の栄養ブログも乞うご期待!

投稿日:2020年06月02日00時00分| 投稿者: 冨岡勤| カテゴリ: 未設定


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