「保健機能食品」の基礎知識
2026年03月01日
3月になり、寒さの中にも少しずつ春の気配を感じるようになりました。卒業や転勤など、生活環境が大きく変わる方も多いのではないでしょうか。年度末ということで、春からの新しい健康習慣を考え始めたりする時期でもあります。
最近では、スーパーやコンビニの棚に「体脂肪を減らす」「血圧が高めの方に」といった魅力的な言葉が並ぶ食品が溢れています。しかし、「トクホ」や「機能性表示食品」など、似たような言葉が多くて「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか?健康への効果を表示できる食品は、大きく分けて3種類あります。これらを総称して「保健機能食品」と呼びます。
今月は、知っているようで意外と知らない「保健機能食品」の違いについて解説します。

① 特定保健用食品(トクホ)
• 特徴: 国(消費者庁)が、その製品の効果や安全性を個別に審査し、許可した食品です。
• 信頼性: 製品そのものを用いたヒト試験が行われており、科学的根拠が認められています。
• マーク: おなじみの「手を広げた人のマーク」が目印です。
• 向いている人:健康診断の結果が気になり始めた方、生活習慣の改善をしたい方、具体的な健康課題の対策をしたい方に適しています。
• 正しい活用と注意点:「飲むだけで痩せる」といった夢のような薬ではなく、食生活の改善を助けるものでうす。食事(主食、主菜、副菜が揃った食事)や運動にプラスαとして用います。普段取り入れている飲み物をトクホの商品に置き換えるなど上手に活用しましょう。疾患の治療、治癒にはなりません。疾患に罹患し内服治療中の場合は飲みあわせに注意が必要になるため医師や薬剤師に相談しましょう。

② 栄養機能食品
• 特徴: 1日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分(ビタミンやミネラル)が、国が定めた基準を満たしている食品です。
• 仕組み: 届出や審査は不要で、基準をクリアしていればメーカーの責任で表示できます。
• 向いている人: 日常の食事のバランスが偏っている方、食事だけでは不足しやすいビタミンやミネラルなど栄養補給を目的とする方、具体的な栄養素を効率よく摂りたい方に適しています。
• 正しい活用と注意点:多量に摂取しても病気が治癒したり、より健康が増進するものではありませんので1日の摂取目安量を守りましょう。原則として乳幼児、小児、および疾患に罹患している方、妊産婦及び授乳婦を対象にして開発されたものではないため特定の栄養素の過剰摂取に繋がる可能性がありますので服用する時には説明書をきちんと確認しましょう。あくまでも食事を補うものであり、日々の主食、主菜、副菜を基本にした食事が重要です。

③ 機能性表示食品
• 特徴: 事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
• 仕組み: 国の個別審査はなく、販売前に消費者庁へ届け出を行う形式です。
• 向いている人: 特定の病気はなく健康の維持増進を目指す方、食生活の改善のサポートをしたい方、特定の悩みの改善したい方に適しています。種類が非常に豊富で、「ストレス緩和」「睡眠の質の向上」など、現代人特有の悩みに合わせた選択が可能です。
• 正しい活用と注意点:特定の疾患の治療や治癒することを目的としたものではなく、あくまでも「健康のサポート」です。特定保健用食品や栄養機能食品同様、多量に摂取しても効果が増強したり、より健康が増進するものではありません。
春は心機一転、食生活を見直す絶好のチャンスです。正しい知識を身につけた上で自分の体に何が必要かを考えて「保健機能食品」を日頃の生活に取り入れましょう。
次回もお楽しみに!
【出典・参考】
消費者庁「保健機能食品表示制度」、厚生労働省「e-ヘルスネット」、国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」


