食中毒予防の基本 ~梅雨時期の衛生管理~

6月は気温と湿度が高くなり、細菌が増殖しやすい季節です。特に梅雨の時期は、食品中の細菌が増えやすく、食中毒への注意が必要です。食中毒は一年を通して発生しますが、6月頃からは細菌性食中毒が増加する傾向があります。体力の低下している方や高齢者、治療中で免疫力が低下している方では重症化することもあります。日頃から食品の取り扱いに注意し、予防を心がけましょう。

1.カンピロバクター食中毒

国内で発生件数の多い食中毒の一つです。鶏肉に付着していることが多く、生または加熱不足の鶏肉を食べることで感染します。少ない菌量でも発症することがあります。
主な症状は、下痢、腹痛、発熱、倦怠感です。

【予防のポイント】
・鶏肉は中心部まで十分に加熱する
・生肉を扱った後は手洗いを徹底する
・包丁、まな板は使用後すぐに洗浄・消毒する

2.サルモネラ食中毒

卵や食肉などが原因となることが多く、気温の高い時期に増えやすい細菌です。
主な症状は、発熱、腹痛、下痢、嘔吐です。

【予防のポイント】
・卵料理や肉類は十分に加熱する
・調理後はできるだけ早く食べる
・常温で長時間放置しない

3.黄色ブドウ球菌食中毒

人の皮膚、鼻の中、手指の傷口などに存在する細菌です。
食品中で毒素を作り、それを食べることで発症します。おにぎり、弁当、サンドイッチなどで起こりやすいのが特徴です。主な症状は、急な吐き気、嘔吐、腹痛です。

【予防のポイント】
・調理前の手洗いを徹底する
・手荒れや傷がある場合は食品に直接触れない
・調理後はできるだけ早く食べる

4.腸炎ビブリオ食中毒

海水中に生息する細菌で、夏季に増加しやすい食中毒です。刺身や寿司など、生の魚介類が原因となることがあります。主な症状は、激しい腹痛、水様性下痢、発熱です。

【予防のポイント】
・魚介類は購入後すぐに冷蔵する
・調理後はできるだけ早く食べる
・調理器具を清潔に保つ

5.ウェルシュ菌食中毒

カレー、シチュー、煮込み料理などの作り置きで起こりやすい食中毒です。
加熱後、常温でゆっくり冷める間に菌が増殖します。主な症状は、腹痛、下痢です。

【予防のポイント】
・調理後は小分けして速やかに冷ます
・冷蔵保存する
・食べる前に十分再加熱する

◎食中毒予防の3原則
食中毒予防の基本は、「つけない・増やさない・やっつける」です。

* つけない:手洗いを徹底し、食品や調理器具を清潔に保つ
* 増やさない:食品は低温保存し、室温に長時間放置しない
* やっつける:食品は中心部まで十分に加熱する

◎食欲が落ちやすい時期の食事の工夫
湿気や暑さで食欲が低下しやすい時期でもあります。そうめんやパンだけで済ませず、卵、豆腐、魚、肉などのたんぱく質を組み合わせ、栄養バランスを整えましょう。こまめな水分補給も大切です。

激しい腹痛、繰り返す嘔吐、発熱、血便、水分がとれない場合は、脱水を起こすことがあります。無理をせず、早めに医療機関へ相談しましょう。

湿気の多い梅雨の時期こそ、毎日のちょっとした心がけが健康を守ります。衛生管理を徹底し、安全でおいしい食事を心がけて元気に夏を迎えましょう。次回もお楽しみに!!


参考文献
・厚生労働省「食中毒」
・厚生労働省「細菌による食中毒」
・食品安全委員会 各種ファクトシート

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