身体を温める食べ物

立春を過ぎてもなお、厳しい寒さが続いております。
皆様、体調はいかがでしょうか?
冬の寒さは体に力が入って血行を悪くするだけでなく、免疫力の低下を招く原因にもなります。
今月は、毎日の食事から体を内側からポカポカと温める食品についてご紹介します。

1. なぜ「食べると温まる」のか?
私たちは食事をすると、体が温かくなるのを感じます。これを専門用語で「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼びます。摂取した栄養素が分解され、その一部が熱となって放出される現象です。
特にたんぱく質は、糖質や脂質に比べてこの熱産生量が高いのが特徴です。寒い朝に温かい卵料理や大豆製品を摂ることによって朝から代謝を上げることにつながります。

2. 体を温める「温活」食材とスパイスの主役たち
東洋医学では食材を「温めるもの(温性)」と「冷やすもの(寒性)」に分けますが、現代の栄養学でもその効果は裏付けられています。

① 生姜
生姜には「ジンゲロール」という成分が含まれていますが、これを加熱・乾燥させると**「ショウガオール」**という成分に変化します。
• ジンゲロール(生): 体の表面の血行を良くし、一時的に発汗を促します。殺菌作用も期待できます。
• ショウガオール(加熱): 体の深部を温め、持続的に熱を作る手助けをします。

② 根菜類
ニンジン、レンコン、ゴボウなどの根菜類は水分が少なく、ビタミンやミネラルが凝縮されています。特にビタミンEは「血管の掃除屋」とも呼ばれ、末梢血管を広げて血流を改善する働きがあります。

③ ネギ・ニラ・ニンニク
特有の強い香りの元である「アリシン」は、ビタミンB1の吸収を高めます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える際に必須の栄養素。エネルギーが効率よく作られることで、体温維持につながります。

④ 香辛料(スパイス)
料理にアクセントを加える香辛料には、強力な温活効果があります。
• シナモン(桂皮): 毛細血管を保護し、血流をスムーズにする働きがあります。紅茶や焼きリンゴに一振りするだけで手軽に取り入れられます。
• 唐辛子(カプサイシン): アドレナリンの分泌を促し、脂肪燃焼を助けながら体温を上昇させます。※胃腸への刺激が強いため、使う量には注意しましょう。
• 胡椒(ピペリン): 血管を拡張し、血流を促進します。減塩中の方でも、風味付けとして使うことで満足感を高めることができます。

3. 栄養を逃さない!効果的な調理のコツ
どんなに良い食材でも、調理法次第でその効果は半減してしまいます。
• 「蒸す・煮る」を基本に: 生野菜は水分が多く、体を冷やしがちです。温野菜にすることでカサが減り、食物繊維もしっかり摂取できます。
• 発酵食品との組み合わせ: 味噌やキムチ、納豆などの発酵食品は、腸内環境を整えます。免疫細胞の約7割は腸に集中しているため、腸を温めることは全身の健康に直結します。
• とろみをつけて冷めにくく: 片栗粉などで「あんかけ」にすると、料理の温度が下がりにくくなります。喉越しも良くなるため、嚥下が気になる方にもおすすめです。

4. 日常生活で意識したいこと
食事以外でも、少しの工夫で「冷え」は改善できます。
1. 朝一杯の白湯: 目覚めたての胃腸を優しく温めます。
2. よく噛んで食べる: 咀嚼(そしゃく)自体がエネルギー消費を増やし、熱を生み出します。
3. 「首」を温める: 首、手首、足首の「3つの首」には太い血管が通っているため、冷やさないようにしましょう。

お家で簡単レシピのご紹介
【根菜と鶏肉のポカポカ生姜味噌煮 ~シナモン風味~】

材料(2人分)
• 鶏もも肉(皮なし):100g
• ニンジン、ゴボウ、レンコン:各50g
• おろし生姜:小さじ1
• 出汁:200ml
• 味噌:大さじ1
• シナモンパウダー:少々(お好みで)

作り方
1. 根菜類を一口大の乱切りにします。
2. 鍋に少々の油(分量外)を熱し、鶏肉と根菜を炒めます。
3. 出汁とおろし生姜を加え、具材が柔らかくなるまで煮込みます。
4. 最後に味噌を溶き入れ、ひと煮立ちさせたら完成です。お好みで隠し味にシナモンを一振りすると香りが立ち、身体も温める効果も高まります。

冬の寒さは、私たちの体にとって大きなストレスとなります。日々の食事を少し「温める」意識に変えると心も体もホッと緩まります。
今月は寒さを乗り切るため食事のついてご紹介しました。日頃の生活に取り入れてみてください。
次回もお楽しみに!

【参考文献・出典】
厚生労働省 e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生」
薬膳・漢方の基礎理論(五性:寒・涼・平・温・熱)
薬膳食材図鑑

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