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大腸癌

大腸癌とは

大腸に発生する悪性新生物で、S状結腸より口側に発生する結腸がんと直腸に発生する直腸癌に分けられます。本邦では、食事の欧米化に伴い罹患率、死亡率ともに増加傾向です。

症状

大腸がんに特徴的な症状はなく、またどの場所にどの程度の癌ができるかで症状が異なります。
  • 早期癌は症状に乏しく、進行すると、血便、便柱狭小化、残便感、便秘と下痢を繰り返す等の症状を認める。病変の場所が肛門に近いほど出現しやすい。
  • 体重減少、貧血など全身症状や腹部膨満感、腹痛、嘔吐など腸閉塞症状のこともあります。

診断

検査として、スクリーンニングとして検診では免疫学的便鮮血反応検査が行われております。大腸がんの精密検査が必要な人を選び出す負担が少なく簡便にできる検査ですが、早期癌では検出率が低いことや進行癌でも約10%程度検出されないことが欠点です。従って、この検査が陰性でも「大腸がんはない」とは言い切れません。健康な集団の中から、精密検査として、大腸内視鏡検査が必須になります。当院では、病変があった場合に必要に応じて拡大観察(ズーム式)、超音波内視鏡を施行しております。

治療

治療は、術前のがんの進行度、QOL等臨床経過を考慮して治療方針が決定されます。内視鏡的治療、手術療法、抗がん剤治療等があります。 当科では、内視鏡的粘膜切除術 (EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行い良好な成績を治めております。(内視鏡治療につきましては、主な検査・医療設備のページをご覧下さい。)

抗がん剤治療について

大腸がんに対する化学療法は、ここ数年で飛躍的に進歩しており、新型の抗がん剤が承認され新しい治療法が開発されています。化学療法を行う目的は、術後の補助化学療法と切除不能進行癌に対する化学療法の大きく2つに分類されます。当院では外科医、緩和医療チームのサポートもあり、患者様がQOLを維持し、充実した日々を送れるためのお手伝いができるよう心がけています。

1. 補助化学療法

手術前に抗がん剤治療でがんを小さくする術前補助化学療法と、進行がんの根治術後に再発を予防するための術後補助化学療法があります。術後化学療法の対象は、リンパ節転移のあるstageIII以上の患者さんとされており、規定の期間治療を行った後は経過観察されます。

2. 進行がんに対する化学療法

手術でがんを取りきることができない進行がんや、転移・再発がんに対して生存期間の延長やQOLの改善を目指す治療です。
代表的な抗がん剤は、フルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン(CPT-11:トポテシン、カンプト)、オキサリプラチン(L-OHP:エルプラット)、ホリナートカルシウム(LV:ロイコボリン)、カペシタビン(ゼローダ)などが代表的で、これらを組み合わせて使用します。近年では、抗VEGF抗体であるベバシズマブ(BEV:アバスチン)や、抗EGFR抗体であるセツキシマブ(アービタックス)、もしくはパニツムマブ(ベクティビクス)といった分子標的薬が登場し、さらに治療の幅が広がっています。