診療内容
1.院内のさまざまな診療科との速やかな連携のもと、あらゆる消化器の病気に対応しています
主な対象疾患については、下記ページをご参照ください。
このような場合に当科では、膠原病リウマチ科や皮膚科、泌尿器科、婦人科、耳鼻科など関連する診療科と速やかに連携をとり、互いに協力し合って診療を展開しています。
さらに、消化器の病気で外科的治療が必要となった場合には外科と緊密に連携し、患者さん一人ひとりの病状に応じたテーラーメードの診療に努めています。
2.患者さんの身体に負担の少ない「低侵襲治療」を第一に、最先端の診断・治療を積極的に導入しています
とくに下記に挙げる治療を当科では得意としています。
悪性消化管狭窄(食道、幽門・十二指腸、大腸)に対するステント留置術
参照:悪性消化管狭窄(食道、幽門・十二指腸、大腸)に対するステント留置術
とくに大腸のステント治療については、当院 外科が「大腸ステント安全手技研究会」の事務局を務めています。当科もその一員として、大腸ステント治療の安全確認や情報収集、他施設との共同試験など、全国規模での幅広い活動を展開しています。
カプセル内視鏡、バルーン内視鏡による小腸の疾患、炎症性腸疾患の診断・治療
当科では2013年より、「カプセル内視鏡」「バルーン内視鏡」による小腸疾患の診断・治療を積極的に行っています。
<カプセル内視鏡とは>
カプセル内視鏡は、超小型カメラを内蔵したごく小さなカプセル(長さ26mm×幅11mm)です。検査の際、患者さんはこのカプセルを飲むだけでよいため、身体への負担が非常に少ないのがメリットです。
カプセルが消化管を通過する際に撮影された画像が記録装置に転送され、医師はこの画像をもとに小腸の診断を行います。
<バルーン内視鏡とは>
バルーン内視鏡は、オーバーチューブ(透明なホース)の中にスコープを通したもので、それぞれの先端についているバルーンがつけられています。このバルーンをふくらませて小腸が動かないように固定したり、オーバーチューブを引いて腸を縮めたりしながら少しずつ奥へと進ませ、小腸全体を診断します。
これまで小腸は従来の胃や大腸の内視鏡ではアクセスしにくく、十分に観察することが難しい臓器でしたが、カプセル内視鏡、バルーン内視鏡の導入によってより有効な診断が可能となりました。原因不明の消化管出血や、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患の診断にも非常に適しており、消化管狭窄を併発している場合にもバルーンを用いることでスムーズに消化管を拡げながら診断することができます。
また、カプセル内視鏡で出血が見つかった場合にバルーン内視鏡で止血する、カプセル内視鏡で腫瘍が見つかった場合にバルーン内視鏡で生検をとる、といったことも可能です。
慢性膵炎の膵石に対する体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)
当科ではこの「膵石」に対する「体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)」を積極的に行っています。慢性膵炎は膵管が狭窄を起こすことも多いため、その場合にはステント留置術を行い、膵管を拡げてから膵石を除去します。この治療においては当院および当医療センター大森病院が都内でも有数の症例数をもち、現在は関東圏外からも多くの患者さんが受診されています。
胆道がんや膵臓がんなどをはじめとする胆膵疾患に対する最先端の診断・治療
病気によって胆管や膵臓が狭窄し、胆汁や膵液の流れが悪くなっている場合には、「内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)」「内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)」などを行って流れをよくし、黄疸など重篤な症状の予防・改善に努めています。
3.地域の基幹病院として、かかりつけ医との緊密な連携や医療のレベルアップにも努めています
さらに地域医療のレベルの向上を目指し、当科では近隣の先生方に向けた消化器診療についての講演会を年に数回主催しているほか、地域の勉強会などにも積極的に参加しています。今後も地域の基幹病院として、患者さん一人ひとりにとってより良い医療の提供に努めていきます。