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婦人科がん治療後のリンパ浮腫への対応

婦人科がん治療後のリンパ浮腫への対応
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの手術で、がんの病変とともにリンパ節を摘出(リンパ節郭清)した場合、また放射線治療を行った場合、合併症としてリンパ浮腫呼ばれる下腹部、外陰部、下肢の浮腫(むくみ)が生ずることがあります。リンパ浮腫は手術後(もしくは放射線治療後)早期に発症することもあれば、数年経ってから出現することもあります。

リンパ浮腫はリンパ液の流れが悪くなったことによって、リンパ液が異常に皮下組織にたまり、その結果に生ずるむくみです。さらにリンパ浮腫が起こった状態で感染を伴った場合、蜂窩織炎とよばれる炎症が生ずることがあります。蜂窩織炎が起こると、下肢が赤くなり発熱が生じ入院治療が必要になることもあります。

リンパ浮腫を予防することは、治療をお受けになった患者さんのQOLを良好に保つため非常に大事なことです。したがって、リンパ節をとる手術や放射線治療を行った後、浮腫がないうちから予防するために日常生活でケアが重要です。リンパ浮腫や蜂窩織炎はちょっとした皮膚の傷やけがや感染などが原因となります。そこで皮膚のケアが大事です。薬用せっけんなどを用いて肌を清潔に保つことが基本になります。また水虫や感染にならないように気をつけていただき、こういった状態が起こった場合は、早めに受診していただくことをおすすめします。

では、リンパ浮腫に対する治療はどのような方法があるでしょうか?これは「複合的理学療法」と呼ばれる治療であり、リンパドレナージマッサージと呼ばれるマッサージ、弾性ストッキングなどを用いた圧迫、そして感染を予防するための肌のケアなどから成っています。そして複合的理学療法をどのように行っていくか、は患者さんのリンパ浮腫の程度によって、その患者さんに合った適切な方法を選んで行います。

当院では、子宮がんや卵巣がんの手術を受けた患者さんや放射線治療を受けた患者さんに対して、個別にリンパ浮腫治療のトレーニングを受けた医師や看護師がリンパ浮腫のケア、適切なストッキングやリンパドレナージマッサージの指導を行ない、患者さんのQOLが良くなるようにお手伝いしています。手術後、入院中に指導を行い、また退院後は外来でケアを継続させていただいています。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 産婦人科

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TEL:03-3468-1251(代表)