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個人の基準値

基準値とは

病院で用いられる基準値は「集団の基準値」であり、健康なボランティアーから求めています。例えば、1000名の健常者について求めた検査成績を低い値から高い値に順に並べ、始めから数えて25番目にあった方の数値を基準下限値(低値:L)、終わりから数えて25番目の方の数値を基準上限値(高値:H)とします。下限値と上限値の間が基準値で、L~Hと表示されます。従って基準値は、健常者の95%(950名)が含まれる範囲となります。検査成績の判定は基準値との比較によって行われますが、いくつかの検査を実施して総合的に診断されます。

個人の基準値

「集団の基準値」は、多くの健常者の成績から求められていますが、検査成績にも個人差があります。健康なときの検査値の変動幅は、集団の変動幅(集団の基準値)よりも狭いことが知られています。
例えば、Aさんは毎年2回の職場健診を受けています。総たんぱく(TP)の基準値は6.9~8.6 g/dl(変動幅は1.7 g/dl)ですが、Aさんの10年間の成績は7.4~7.8 g/dlと変動幅は0.4 g/dlと僅かです。Aさんが7.1 g/dlとなったとしたら、集団の基準値の範囲にはありますが、Aさんには低栄養となるエビデンスがあったのでしょう。「個人の基準値」は長期間に渡って集積することにより、「集団の基準値」では見落とされていた僅かな変化を検出することができます。定期的な健康診断の成績は大切に保管しましょう。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 臨床検査部

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