「胆のう専門外来(内視鏡外科外来,肝臓・胆のう・胆管・膵臓専門外来)」のご案内
1. 腹腔鏡下胆のう摘出術
腹腔鏡下胆のう摘出術は、おへそと上腹部に計4ヶ所の5~12 mmの穴を開けて、炭酸ガスにてお腹を膨らませた後、腹腔鏡というカメラを挿入しテレビモニターに映した画像を見ながら胆のうを摘出する手術です。下記タイムスケジュールで手術を行っており,当科では患者さんの要望の多い週末を利用した手術日程を組むことが可能です。合併症がなければ入院期間は3~5日で退院することも可能です。
現在、腹腔鏡下胆のう摘出術の適応疾患は、胆のう結石、胆のうポリープ、胆のう炎、胆のう腺筋症などの良性胆のう疾患です。このうち急性胆のう炎は、発症から早期に適切な治療を行わなければ非常に重篤となる病態であります。当科では、急性胆のう炎症例においては病態が重篤化する前に施行する緊急・早期の腹腔鏡下胆のう摘出術を治療の第一選択としており、手術までの期間、術後在院期間は著しく短縮し、患者様の負担も著しく軽減しています。このように、胆のう炎を伴っている胆のう結石、癌の疑いが出てくる10 mm以上の大きさの胆のうポリープは、胆のう摘出術の適応となります。しかし、胆石がある、胆のうポリープがあるからと言って、全ての患者様が胆のうを取らなければならないという訳ではありません。また、炎症の程度や現在かかられている他の持病などから腹腔鏡下胆のう摘出術が出来ない患者様もいらっしゃいます。胆のうの病気でお悩みの患者様は、まず専門医に相談して頂くことが大切です。


2. 単孔式腹腔鏡下胆のう摘出術 - キズの見えない手術 - を行っています
単孔式内視鏡手術は文字通り1ヶ所の切開創(キズ)から行う内視鏡手術であり、美容的に非常に優れている点から脚光を浴びており、当科においても、2009年5月より単孔式内視鏡手術をいち早く導入しました。
単孔式腹腔鏡下胆のう摘出術は、おへそに1ヶ所の穴をあけ、そこだけで腹腔鏡下の手術を行います。4ヶ所に穴をあける通常の腹腔鏡下胆のう摘出術と比較し、術後はおへそに1ヶ所のみの創部が隠れてしまうため「キズの見えない手術」と言われる美容上大変優れた術式であり、患者様にも非常に喜ばれています。



当科では、現在年間150例を超える患者様の腹腔鏡下胆のう摘出術を行っており、約15%の患者さんに単孔式手術を行っています。そこで、多くの患者様のご要望により「胆のう専門外来(内視鏡外科外来)」を開設し、単孔式を含む腹腔鏡下胆のう摘出術を希望される患者様を対象とした予約制の外来を行っております。胆石、胆のうポリープなど胆のうの病気を健診、人間ドックなどで指摘されたり、手術をお考えの患者様の疑問や不安にこたえるため、下記の専門医が分かり易く説明致します。ご希望の患者様がいらっしゃいましたら、下記までお問い合わせください。
3. 内視鏡外科手術,肝臓・胆のう・胆管・膵臓専門外来

肝臓
術式一覧
- 肝切除:肝3区域切除,拡大肝葉切除,肝葉切除,肝区域切除,肝亜区域切除,肝部分切除
- 巨大肝嚢胞に対する肝嚢胞開窓術
胆道
術式一覧
- 胆道悪性腫瘍手術
肝門部胆管がん:胆管切除・再建を伴う肝葉以上の肝切除
遠位胆管がん:膵頭十二指腸切除,肝外胆管切除
胆嚢がん:胆嚢摘出術~胆管切除・再建を伴う肝葉以上の肝切除
- 先天性胆管拡張症手術:肝外胆管切除・再建術
- 胆のう摘出術
- 胆管結石切石術
- 胆道バイパス術(胆管空腸吻合術,胆管十二指腸吻合術)
膵臓
術式一覧
- 膵頭十二指腸切除術
- 尾側膵切除術(脾臓温存,脾臓合併切除)
- 慢性膵炎に対する膵管減圧手術(Frey術,Partington術)
慢性膵炎・膵石症に対する膵管減圧手術
【病態】
主に大量飲酒に起因する慢性膵炎・膵石症では膵液の流出が障害され,難治性の腹痛・背部痛を認めます.この症状により入退院を繰り返し日常生活に支障が生じます.
このような症状に対して,禁酒や生活習慣の改善はもちろん必要になります.非手術療法として内視鏡的に膵管ステントを留置する方法がありますが,定期的に交換が必要なこと,腹痛・背部痛が完全に消失しない,などの問題があります.
【慢性膵炎・膵石症に対する外科治療】
慢性膵炎・膵石症に対しては膵管ドレナージ術:膵管減圧手術(Frey手術,Partington手術)と膵切除術(膵頭十二指腸切除術,尾側膵切除術)が行われます.われわれは機能温存の観点から膵管減圧手術を積極的に導入しています.
【膵管ドレナージ術:膵管減圧手術】
膵管ドレナージ術:膵管減圧手術は主膵管の開放を行い,膵管に詰まっている結石を除去します.図1は膵頭部に2 cmを越える膵石を認めた患者さんです(図1左上,右上).主膵管を開放し,結石を除去し膵管空腸吻合を行いました(図1左下,右下).

膵頭部に多数の膵石を認める患者さんに対しては膵頭部の芯抜き(一部分のみの切除)を伴う膵管ドレナージ術を行います.図2では主膵管の拡張を認め,膵頭部に複数の粗大な膵石を認めます(図2左上,右上).十分に主膵管を開放し,膵頭部の芯抜きを行い,結石を除去したのちに空腸と吻合術を行いました(図2左下,右下).いずれの患者さんも術前に認められていた慢性的な腹痛・背部痛から解放され,膵炎の再燃症状は認めていません.

火曜日PM 浅井浩司 肝胆膵専門外来
お気軽にご相談ください.
「胆のう専門外来(内視鏡外科外来,肝臓・胆のう・胆管・膵臓専門外来)」
診療日時: | 担当医 |
毎週月曜日: | 渡邉 学 |
毎週火曜日: | 浅井浩司,森山穂高 |
スタッフ紹介
他院研修経験
~2002年5月
~2008年3月
~2014年3月
場所
お問い合わせ先
電話03-3468-1251
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