腎臓ってどんな臓器?
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腎臓ってどんな臓器?

腎臓はどこにあるの?大きさは?

ヒトは2つの腎臓を持っています。左右に一個ずつとお考え下さい。

腎臓はお腹の中の臓器の一つですが、腸や肝臓といったお腹の前面に近い臓器と違って、背中側に近い後腹膜という膜に囲まれている臓器です。背中にあるというイメージの方が分かりやすいかもしれません。

ちょうど腰のあたりに左右一個ずつあります。正確に言うと、腰骨から15~20cm上のところで背骨に対してほぼ左右対称に存在しています。形はそら豆のような形をしていて縦が10から11cm、幅が5cm、厚みが2から3㎝ほどあります。

このわずか150g程の小さな臓器に、心臓から送り出される血液の約四分の一もの量が流れこみます。これだけをみても、腎臓は我々が生きていく上で何か重要な役割を果たしていることがお分かり頂けると思います。

腎臓の働きは?

腎臓の働きは尿を作ることが主と考えられがちですが、実はその他に多くの大切な働きを担っています。実にさまざまでありますが、主な役割をここでご説明します。

1.尿を作る

多くの方は「腎臓=尿を作る」のイメージかと思います。実際に尿を作ることは腎臓の一番大切な仕事と言っていいでしょう。ヒトは日々の食生活や運動の結果、体内に多くの老廃物が作り出されます。
この血液の中に貯まった毒素を尿として捨てることが腎臓の役割です。つまり“排泄”です。腎臓はいま体内で何が必要で何が不必要かを的確に判断し、その日、その時の体の状況に応じて尿を作ることが出来る精密機械です。だからこそ、我々が日々気を遣うことなく食べたり飲んだり、運動しても平気でいられるのです。

2.血圧を調節する

腎臓からはいくつかのホルモンが作り出されています。その一つが血圧調節ホルモンです。
レニン・アンギオテンシン系と名付けられたこのホルモン群は、基本的に体の中の水分が足りなくなった時に活躍し、血圧が下がらないように、水分量がこれ以上減らないように働きます。

しかしながら何らかの原因で腎機能が悪くなると、体の中の水分量とは関係なくこのホルモンの分泌が増えることが知られています。腎臓の悪い人に高血圧の人が多いのはこれが一因だと言われています。

3.造血ホルモンを作る

腎臓の中の尿細管(にょうさいかん)という細胞では、エリスロポエチン(エリスロポエイチン)という造血ホルモンが作られています。このホルモンは造血工場である骨に働きかけて、赤血球を作ることを促します。腎臓の働きとともに赤血球の数が減る(貧血になる)のはこのホルモンが作られなくなることが大きく影響しています。鉄分が足りなくなると、貧血を起こすことは多くの方がご存じだと思いますが、腎臓が悪くなっても貧血になってしまうのです。

4.丈夫な骨を維持する

腎臓は骨にも大切な働きをしています。丈夫な骨の維持にはビタミンDが必要不可欠なのはご存知ですか?実はこのビタミンが骨に働くためには、働きやすい状態に変化する必要があります。この過程をビタミンDの活性化といいます。実はこの活性化は腎臓で行われているのです。腎機能が悪くなればビタミンDは活性化されなくなります。骨にも影響が出るわけです。

また、腎機能が低下すると体のミネラル分の一つであるカルシウムが低下します。この低くなったカルシウムをなんとか治そうとして、副甲状腺ホルモンという、骨の新陳代謝を司るホルモンが沢山分泌されることが分かっています。この過剰に分泌されたホルモンは骨を溶かすことによってカルシウムを正常に保とうとします。骨を溶かしながら維持しようとする悪循環が始まるわけです。骨が溶けていくわけですから、当然骨はもろくなるわけです。

腎臓が悪くなるとどうなるの?

最初はなにも感じない

腎臓は自己主張をしない臓器と言われています。腎臓病の初期から中期にかけては全く自覚症状がないのが特徴です。症状を自覚した頃には腎臓の機能は大きく衰えていることがほとんどであり、多くの慢性腎臓病は健康診断や偶然の尿検査などで見つかることが多いのが特徴です。だからこそ腎臓病の早期発見のためには、学校や職場での健康診断・人間ドッグは非常に重要なのです。 体の中の臓器で、最も酸素を消費するのが腎臓であり、今までに述べたように体内の水分、塩分、血圧を始め、貧血や骨の状態までを調整する非常に重要な臓器です。 腎臓が非常に悪くなると、足がむくんだり、尿毒症と呼ばれる疲労感や脱力感を感じるようになりますが、腎臓が悪いこと以外でもこれらの症状は出現するものであり、やはり健康診断や人間ドックなどでの早い段階で腎臓がダメージを受けていることを発見することが重要です。 腎臓が極端に悪くなり、尿を作ることができなくなると、体に毒素がたまっていってしまうことを避けるために透析療法もしくは腎臓の移植が必要になってしまいます。また、慢性腎臓病の70%の患者さんは心筋梗塞や脳卒中で死亡して透析治療にたどり着く前に命を失ってしまうともいわれています。 悪くなった腎臓を治すことは現在の医療でも困難ですが、腎臓病の進行を遅らせる事が主な治療になります。実際、早くから治療を開始すれば、透析や移植といった大掛かりな治療を始める事をかなり遅らせる事が出来ます。腎臓が悪いと言われたら当腎臓内科などの専門医へご相談ください。