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透析?移植?

腎臓病

腎臓病の原因は実に多岐にわたります。

腎炎、ネフローゼ症候群に対しては、腎生検により疾患、病期を正確に診断し、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、抗血小板薬、抗凝固薬、ACE 阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬等の薬物療法、低蛋白食、減塩食を中心とした食事療法、血液浄化療法等、疾患に応じ適切な治療を行っています。

慢性腎炎、高血圧、糖尿病、膠原病等の疾患や加齢等により慢性的に腎機能の低下を認める患者様に対してはACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を中心とした薬物療法、低蛋白食を中心とした食事療法等、腎機能の保護に努めています。

末期腎不全や急性腎炎、交通外傷、薬物中毒等に伴う急性腎不全に対しては、血液透析療法や腹膜透析療法を行っております。現在透析室は16床のベッドを有し、週あたり最大64名の血液透析療法が可能です。

維持透析

末期腎不全のため維持透析を行っている患者さんの診療には特に力をいれております。血液透析療法や腹膜透析療法といった血液浄化療法はもちろんのこと、慢性腎不全の合併症についても他の診療科と協力し、積極的に検査、治療を行っています。

中でも透析導入当初より合併率が高く、死亡原因として最も重篤な狭心症や心筋梗塞、心不全等の心血管系合併症については、循環器内科とともに積極的に診断、治療を行っており、特にカテーテル治療では国際的にも高く評価頂いております。

血液浄化療法

腎不全に対する血液透析療法や腹膜透析療法に加え、膠原病に対する免疫吸着療法、高脂血症や難治性ネフローゼ症候群を呈する巣状糸球体硬化症に対するLDL吸着療法、潰瘍性大腸炎患者様に対する白血球吸着療法等、血液浄化療法全般を当科が担当しています。

腎臓代替療法について

腎臓の機能が極端に低下した場合は(具体的には10分の1未満)大きく分けて3つの治療法があります。

①血液透析療法
②腹膜透析療法
③腎移植

これら3つを総称して「腎臓代替療法」といいます。我が国において最も一般的なのは圧倒的に血液透析ですが、ヨーロッパ・北米など諸外国では腹膜透析や腎移植の割合が高くなります。

ところで「透析」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

透析というのは、もともとは治療のことを指すのではなく、化学・物理学などで不純物を取り除くことを指す言葉です。詳しく説明するとややこしくなってしまうのですが、簡単に言うと、透析膜と呼ばれる物質を使用することによって血液などの液体の中にある不純物を取り除くことを透析といいます。小学校の図工などでセロファンを手にしたことのある方も多いかと思いますが、おそらく最も身近な透析膜はセロファンだと思います。これを応用したのが「人工透析」です。治療としてよく言われる透析は、この人工透析のことを指すことが一般的です。

血液透析療法

血液を体の外に引き出して循環させ、人工腎臓(血液透析器)を通過する間に、血液中の老廃物や過剰な水分を取り除きます。

 ◇週に2~3回の通院が必要です。
 ◇毎回かならず穿刺針(太めの注射針)で2回針をさします。
 ◇1回の血液と透析には3~5時間かかります。
 ◇血液を血液透析器に送るため、腕に動脈と静脈をつないだシャントをつくる手術が必要です。

当院では血液透析を始める前にシャントを作る手術を心臓血管外科に依頼します。シャントの手術は外来でも入院でも可能です。

血液透析が必要となったら、入院をして透析を開始する場合と通院で透析を開始する場合があります。
尿毒症症状が強い、シャントの準備をしていない、高齢で通院が困難、自宅が遠方な場合は入院をして透析を開始します。入院期間は安定している患者さんで約2週間が目安です。入院中は血液透析を始めるのみではなく、透析生活や食事療法などについての教育、また合併症の評価を行います。
自覚症状がなく、シャントの準備をしていて、頻回通院が可能などの条件が整えば、外来で血液透析を開始することもできます。透析生活などについての教育は透析中に行います。また栄養指導や合併症の評価も外来通院で行います。
透析導入後の維持血液透析施設は、自宅や職場から通院しやすい透析施設を紹介します。曜日、時間また当院透析室のベッド状況が合えば当院外来透析も可能です。

腹膜透析療法

おなかの中に腹膜透析液をいれ、腹膜を利用して老廃物や過剰な水分を取り除きます。腹膜透析液は1日に4~5回、自分で、あるいは家族の助けを借りて交換します。

 ◇透析液の交換は自宅・職場・学校でも可能です。
 ◇通院の回数が少なくてすみます。
 ◇透析液の交換は1回に約30分かかります。
 ◇透析液を出し入れするための管(カテーテル)を腹部に植え込む手術が必要です。
 ◇安全に腹膜透析を施行できる期間は5~8年といわれています。

当院では腹膜透析を始める前にカテーテルの植え込み術を第3外科に依頼します。手術は入院で施行いたします。腹膜透析が必要となったら、入院にて腹膜透析を開始します。入院中は腹膜透析の手技指導を中心に、透析生活や食事療法などについて教育を行い、また合併症の評価を行います。退院後は1回/月の外来通院は必要です。発熱・腹痛・透析液の混濁がある場合は腹膜炎の可能性があり、至急病院を受診する必要があります。

腎移植

腎移植は血縁者からの提供による腎移植と、亡くなった方・脳死の方からの善意の提供による献腎移植があります。

 ◇腎臓を移植するために大きな手術が必要です。(腎臓を提供する方も)
 ◇移植後も長期に渡り、拒絶反応を防ぐための免疫抑制剤を内服する必要があります。
 ◇医療の発展により、以前ほど拒絶反応はなくなってきています。
 ◇血液透析・腹膜透析を受ける必要がなくなります。

※当院では腎移植は行っておりません。腎移植を希望される方には東邦大学医療センター大森病院などの腎臓移植施設を紹介させていただきます。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 腎臓内科

〒153-8515
東京都目黒区大橋2-22-36
TEL:03-3468-1251(代表)